応用化学科・専攻

理工学部助教 潘振華、理工学部教授 片山建二の研究成果がNature Communicationに掲載されました

2022年12月18日

光触媒を用い人工光合成反応によるクリーンなエネルギーを生成する方法が望まれている。本発表では、中央大学 潘振華 助教、片山建二 教授、浙江大学 Chiheng Chu 教授 らとの共同研究で、人工光合成反応を促進する斬新な方策を報告しました。光触媒内部の電荷分離プロセス人工光合成反応の重要なプロセスであることを考慮し新型のコアシェル構造をもつ助触媒(core/shell Ag/Pd)を開発し、光触媒表面状態について電気化学的なエネルギー状態interfacial energetics)を最適化しました。この方法は、バナジン酸ビスマス(BiVO4を母体とする光触媒に応用し、太陽光エネルギーを利用して水と酸素から過酸化水素を生成する反応H2O + ½ O2àH2O2を行いましたこの反応系の太陽光エネルギー変換効率0.73%を達成しました。これは無機化合物を利用した光触媒変換効率としては最高性能である(以前の最高性能はこちらの論文で報告されている

https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/science/departments/chemistry/news/2022/02/58542)。、この方策酸化チタン(TiO2, グラフィティック・カーボンナイトライド (g-C3N4)等な光触媒にも通用し、本方針の適用性の広さを示した

本研究成果は、2022年 1216日シュプリンガーネイチャー誌発行の科学誌「Nature Communications」のオンライン版で公開されます。

【発表(雑誌・学会)】 

A general interfacial-energetics-tuning strategy for enhanced artificial photosynthesis

Springer Nature, Nature Communications,  (2022)13:7783,

https://doi.org/10.1038/s41467-022-35502-z

 

表面選択的な助触媒担持による電子・正孔利用の戦略的合成

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