理工学研究所専任研究員 荒川直也 と理工学部教授 米満賢治：励起光でスピン流と電流を見分ける方法を発見

時間の進み方を逆転した時の性質と励起光の回る向きを利用する新しい方法になります。

【発表のポイント】
●円偏光した励起光の回る向きを変えた時の振る舞い（ヘリシティ依存性）で、異常ホール効果で生成する電流とスピンホール効果で生成するスピン流を区別できることを発見した。
●上記の違いは、電流とスピン流の時間の進み方を逆転した時の性質（時間反転対称性）の違いに由来する、普遍的な性質であることを解明した。
●円偏光した励起光の回る向き（ヘリシティ）を使うことで、スピン流のみまたは電流のみを利用できる。

概要
中央大学の荒川直也 理工学研究所専任研究員と米満賢治 理工学部教授は、金属に円偏光した光（励起光）をあてた時のスピンホール効果と異常ホール効果の理論を構築し、スピンホール効果で生成するスピン流と異常ホール効果で生成する電流では、円偏光した励起光の回る向きを変えた時の振る舞い（ヘリシティ依存性）が異なることを解明しました。そして、この違いは、時間の進み方を逆転した時の、電流とスピン流の性質の違いに由来することを特定しました。

この成果は英国科学雑誌「Communications Physics」に2023年3月10日にオンライン掲載されました。