理工学部

人間総合理工学科 水代謝システム工学研究室 4年 白鳥瑞雪さんが、第58回水環境学会年会において、年会学生ポスター発表賞(ライオン賞)を受賞しました。

2024年03月08日

2024年3月7日(木)
第58回 水環境学会年会 年会学生ポスター発表賞(ライオン賞)受賞
 

人間総合理工学科 水代謝システム工学研究室 4年 白鳥瑞雪さんが、第58回水環境学会年会において、年会学生ポスター発表賞(ライオン賞)を受賞しました。
ライオン賞は、学部生、高専生、短大生が行う優秀なポスター発表に対して表彰を行います。学会期間中にポスター発表を行い、投票によって受賞者が決定されます。今年度は合計111件の発表から、ライオン賞に選定されました。

白鳥瑞雪さんは、「固体三次元励起蛍光分光法によるb-EPSの簡易・迅速分析手」についてポスター発表を行いました。
細胞に付着する菌体外高分子物質(b-EPS)は、虫歯や歯周病、配管内のスライム形成や風呂のぬめりなど、微生物がバイオフィルムを形成するにあたって、重要な働きをすることが明らかになっています。
b−EPSの分析には、物理的手法(遠心分離、陽イオン交換樹脂および加熱法)や化学的手法(アルカリ-NaOH、酸-H2SO4およびトリクロロ酢酸)により抽出した後に、機器分析などにより定性・定量する手法が提案されていますが、いずれも工程が煩雑かつ検出までに時間がかかるほか、微生物の種類によって適切な抽出条件が異なるため、In-situ(その場)での分析は困難とされてきました。
中央大学で開発した固体三次元励起蛍光分光法(SPF-EEM)は、細胞表面に存在するb-EPSに励起光を直接当てることで、抽出工程を経る事なく、簡便かつ迅速にb-EPSを測定できます。本研究では、SPF-EEMがb-EPSの検出手法として有効であること、簡便かつ検出時間の大幅な短縮が可能なこと、活性汚泥にも適用可能であることが示された。これらの知見により、排水処理過程におけるIn-situでのb-EPS監視ならびに運転制御への適用可能性が示されました。
排水処理の自動化、高度化に資する研究ということで、この度、水環境学会において参加者より高く評価されました。
白鳥さんは大学院に進学予定であり、大学院では、開発した装置を用いて、自律運転型の浄水処理装置の開発に向けて、研究を進めていく予定にしております。