応用化学科・専攻
理工学研究科応用化学専攻 合田佳弘さん(’21博士前期課程修了)と理工学部応用化学科教授 不破春彦の論文がOrganic Letters誌のフロントカバーおよびMost Read Articlesに選出
2023年12月01日
理工学研究科応用化学専攻の合田佳弘さん(2021年度博士課程前期課程修了)、理工学部教授 不破春彦らの論文が、アメリカ化学会Organic Letters誌に掲載され、Editor-in-Chiefによりその号のフロントカバーに選出されました。
海洋生物の二次代謝産物である海洋天然物は、陸上に生息する動植物や微生物のそれとは構造的に異なる特徴があり、それゆえに新しい医薬品シーズとして注目されています。本研究では、パプアニューギニア沖で採取された海綿から単離・構造決定されたエニグマゾールBの初の全合成に成功しました。今回の全合成において最大の挑戦であったジヒドロピラン環の構築は、異なる3種類の遷移金属触媒(ルテニウム、パラジウム、金)による反応を駆使して達成しました。エニグマゾールBはヒトがん細胞に対して顕著な細胞毒性を示すことから、今後、類縁天然物を含めた構造活性相関研究への展開が期待されます。
なお、本論文は2023年10月のMost Read Articlesの一つにも選定されました。
【掲載論文】 Organic Letters 2023, 25, 8402–8407.
【著者】 Y. Goda and H. Fuwa* (*責任著者)
【タイトル】 Total Synthesis of (−)-Enigmazole B