情報工学科・専攻

2022年度 情報工学科 情報工学専攻 入学式を挙行

2022年04月03日

4月3日(日)情報工学科及び専攻は、感染症対策を講じ、入学式を執り行い、情報工学科129名、情報工学専攻26名の入学者を迎えました。

ご入学おめでとうございます。

花時雨の水分をふくみ生き生きと咲き誇る桜が、希望にあふれる新入生の心を表しているようでした。

皆様の学生生活が実り多いものでありますよう、教職員一同お祈りしております。

 

 



2022年4月3日

2022年度入学式(学科紹介)式辞

主任 牧野光則

 情報工学科に入学された皆さん、皆さんの入学に心よりお祝いを申し上げます。また、昨今の状況のためこの場にご同席いただけなかったご家族の皆様にも我々の歓迎をお伝え下さい。情報工学科教職員を代表して新入生の皆さんにお祝いと激励の言葉を送ります。
 情報工学科は一昨日、1992年4月の設立以来30年という節目を迎えました。歴史があるようにも聞こえるかもしれませんが、第1期生があと2年くらいで50歳に達する程度です。一方で、この30年間で、我々の学科が対象とする分野を核とするさまざまな技術、製品、サービスが社会に提供され、我々の生活を大きく、かつ、急速に変えました。この流れの変化に対応するために、情報工学科も毎年変化しています。すなわち、今年は31回目の新たな始まりです。
 その始まりに際し、皆さんに問います。それは、情報工学をなぜ大学で学ぶのか、です。
 大学は、続く大学院と並んで高等教育機関と称されます。すなわち、これまでの初等教育、中等教育とは異なり、体系だった学びができる最後の場です。もしかしたら、これまで皆さんは大学で学ぶために勉強していたかもしれません。そうすると、大学で学ぶ目的は何でしょうか。そして、なぜ情報工学を学ぶのでしょうか。この問いへの答は一人一人異なり、もしかしたら在学中には明確な答が出ず、社会人となった後にああ、そうか、と気づくことになるかもしれません。これからの私の話を参考に、自らに問いかけ続けてください。
 まず、情報工学は「情報」を「工学」の立場から議論する学術分野です。この「情報」は0か1という表現方法にとどまりません。もし、コンピュータが取り扱う0と1で表せるものだけが情報だとしたら、人類がコンピュータの概念を生み出す前の社会には情報がなかったことになります。すなわち、情報とは、我々一人一人、あるいは、人類全体の活動に不可欠な「何か」であることを認識してください。次に、「工学」は真理追求型の理学とは異なります。人類・社会の課題を発見・特定し、複雑な制約条件のもとで最良の解決手段、仕組み、を考案・創出し、実装することで、人類・社会のより良い明日をもたらそうとする学問の方向性です。これを体系的に、広く、深く、学ぶことができる組織として情報工学科が、その先に大学院情報工学専攻があるのだと認識してください。
 その学びの場で、皆さんはどのような姿勢であるべきか、についてです。皆さんには、言われたことを的確にこなせるだけではなくて、こうあるべき、こうすべきことを考え、他者と議論し、道を切り開く人になって欲しい、と我々は強く期待しています。そのためにも、大学での学びは自ら進んで行ってください。講義で教員団から直接与えられるものだけが大学での学びではありません。情報工学科研究室エリアを含む後楽園キャンパスは皆さんの知的好奇心を大いにくすぐるさまざまな場が広がっています。直接自身の五感で確かめ、それを講義で学んだことと組み合わせることで、皆さんの学びをより高い段階に自ら引き上げてください。また、皆さんを刺激する場は朝起きてから夜寝るまでの至る所にあります。先程紹介した通り、工学は課題を発見することから始まります。その課題は既に皆さんの目の前にあるかもしれません。あるいは、将来出てくるもので、今は課題の種が地面の下で眠っているのかもしれません。日常生活でさまざまなことに関心を持ち、理解し、整理することが、多くの人がまだ気づいていない課題発見の手がかりとなることでしょう。
 中央大学の建学の精神「実地応用ノ素ヲ養フ」、及び、ユニバーシティメッセージ「行動する知性」は、学生による行動を求めており、情報工学科の教育方針「ハイクオリティ情報処理」ではハイクオリティにするための思索と実践を求めています。そのための手がかりを学科は様々な科目を用意することで提供しますが、取捨選択は学生の責任ある判断に委ねられます。皆さんの真剣な学びを、そして、その先には情報工学を武器として社会に大きな、かつ、より良い変化をもたらす成果を挙げるという輝かしい未来を自らの手で引き寄せること、を期待いたします。
 最後に、様々な困難がある中でも学びの場があることへの感謝と、より深刻な困難のためにその場が奪われた人々への想いを忘れず、これからの4年間真剣に学んでください。その真剣さに教職員一同全力で応えることを表明し、入学メッセージといたします。
 入学おめでとうございます。