ビジネススクール

MBAプログラムの詳細

MBAスタンダード:5分野の理論と実践をケースとディスカッションで学ぶ

私たちが考えるMBAスタンダードとは、戦略、マーケティング、人的資源管理、ファイナンス、経営法務、という5つの分野を体系的に学べるカリキュラムを備えていること、加えて、その分野の理論と実践を、ケースやディスカッションの方法で学ぶことです。

スタンダード5分野を揃えた体系的なカリキュラム

ビジネスについてこれまで学んだことがない人でも、基礎的な事柄を、基礎科目、発展科目というカテゴリーから選んで学び、より専門的な専門科目へと無理なく進むことができます。

2025年度入学生カリキュラム(予定)戦略経営研究科戦略経営専攻 授業科目一覧

2025年度入学生カリキュラム(予定)戦略経営研究科戦略経営専攻 授業科目一覧

各科目の詳細(シラバス)

カリキュラムマップ

カリキュラムマップとは、ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)に基づき、各授業科目が、 「卒業するにあたって備えるべき知識・能力・態度」 のどの項目と関連するのか、学修成果の達成にどの授業科目が寄与するかを示したものです。

CBS型ディスカッションで学ぶ

CBSオリジナル

CBSオリジナルとは、他では体験することができない特徴的な科目のことです。

CBSオリジナル①:アクション&リフレクション

戦略リーダーを輩出するために何が必要なのか?講義での学びを実務に活かすには、何が必要なのか?この疑問に対する私たちCBSの答えが、アクション&リフレクションというオリジナル・プログラムです。

アクション&リフレクションには、必修科目の「リーダーシップ・コア」や、オリジナルの冊子「リフレクション・ジャーナル」を用いた「リフレクション・セミナー」(2年間で合計5回実施)が含まれます。

具体的には、次のような学習サイクルでアクション&リフレクションを展開していきます。入学時のキックオフ・セミナーや、1年次の必修科目「リーダーシップコア」で、自分自身なりの理想のリーダー像を模索するプロセスが始まります。ここが「リフレクション」のスタートです。そして、講義で学んだ理論や実践方法は、日々の業務や実践体験型のフィールドラーニングで実践されることになります。これが「アクション」です。

このリフレクションとアクションとが2年間の間に繰り返されることで、講義の学びが単なる学びではなくなるはずです。CBSの学びが、実務と有機的に結びついた成果となることで、自分を変える力、組織を変える力がついていくことを期待しているのです。

そのため、私たちは、実務とCBSでの学びを「両立」とはとらえていません。アクション&リフレクションがあるからこそ、実務と学びとを関連づける相乗効果が生まれ、学生が自ら成長していく好循環を生み出すことができるのです。

CBSオリジナル②:フィールドラーニングで実践体験型の学びを

フィールドラーニングとは、現実の企業を事例とし、受講生一人一人が経営者の立場に立って課題を発見し、それに対する戦略を構築し,実行するためのアクションプランまで作り上げる実践的なプログラムです。

フィールドラーニングは、伝統的なビジネススクールで行われてきたケース・スタディとは本質的に異なる「学び」を提供しています。

ケース企業

2024年度&2025年度 島村楽器株式会社

実際の企業に赴いて現場の話を聞き、課題抽出・設定を行い、戦略とアクションプランを作り上げるCBSオリジナルの総合科目「フィールドラーニング(戦略1)(戦略2)」2024年度は、楽器流通の島村楽器株式会社にご協力をいただき、寄付講座として実施します。島村楽器の役員、各分野の部課長クラスの社員もディスカッションに参加します。社員だけでは発想できない新しさがあり、かつ、各種ステークホルダーにとって適切な価値を提案することを目指します。

フィールドラーニング受講生・教員・協力企業の座談会
フィールドラーニング受講生・教員・協力企業の座談会

●島村楽器株式会社について
島村楽器は、全国に180店舗を展開している総合楽器店です。創業の原点である音楽教室の運営と楽器販売の2事業を軸としながら、長く演奏していると必要になる楽器修理、体験や演奏発表の場としてのイベント・コンサートの企画・実施、気兼ねなく練習できるスタジオ運営も行っています。お客様が楽器を演奏する楽しさに満ちた人生を送っていただくための「楽器プレイヤーのトータルサポート」を事業領域としています。

CBSオリジナル③:プロジェクト研究で新しいビジネス知識の創造

プロジェクト研究は、2年間の集大成を作り上げる科目です。CBSでの学びと受講生の実務経験を、専任教員からの指導を受けながら1年間にわたって練り上げることで、オリジナルのアプトプットを作成していきます。

CBSのプロジェクト研究の特徴は、次のような3つです。

  • 少人数の指導:ほとんどのプロジェクト研究は6名程度の少人数。すべて専任教員が指導します。
  • 選べるアウトプット:学術志向のアプトプット(論文)か、実務に直結したアプトプット(事業計画書(ビジネスプラン)、事例分析(ケーススタディ)、事例記述(ケース作成)など)かを、受講生のニーズに応じて選択できます。
  • 段階的な指導:アウトプットに向かっての段階的な指導があります。そのため、無理なく質の高いアウトプットを生むことができます。学術志向のアプトプットを求める学生には、研究方法を学ぶための科目(研究方法論基礎など)を用意しています。また、実務に直結したアウトプットを求める学生に対しては、ビジネスプランニングやフィールドラーニングでの学びを準備しています。

優秀賞(論文・課題研究)、総代・鈴木敏文賞・南甲倶楽部賞

CBSでは学生たちの学びに対する意欲を高め、かつ、学生たちの模範とするため、優れたプロジェクト研究のアウトプットを選び、優秀賞として表彰をしています。ご自身の業界や問題意識に近いアウトプットを見つけてみてください。
論文・課題研究の内容について詳しく知りたい方は下記の優秀賞のページをご覧ください。

MBAコースの3つの方針

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

<養成する人材像>

戦略経営研究科は、中央大学の建学の精神である「實地應用ノ素ヲ養フ」という教育理念に基づき、「実学重視」教育の立場から、「行動する知性」としての「チェンジ・リーダー」を養成します。不確実性の高い現代における「チェンジ・リーダー」とは、戦略経営に関する幅広い知識、深い洞察と内省、並びに実行力によって、自分を変え組織を変え社会を変える人材です。
具体的には、以下のような人材を養成します。

  • ビジョナリーな企業経営者
  • スペシャリストとしてのトップ・マネジメント・チームのメンバー(COO、CFO、CTO、CMOなど)
  • 新たな価値を生み出す起業家
  • 経営者のマインドを持つ中間管理者
<修了するにあたって備えるべき知識・能力・態度>

戦略経営研究科では、所定の教育課程を修め、「チェンジ・リーダー」に求められる以下の7つの知識・能力・態度を身につけた人材に対し、「経営修士(専門職)MBA」の学位を授与します。

  1. 現状理解力・想像力:人や組織や市場を観察することで現状を適切に理解し、その新たな未来を考察することができる。
  2. 問題発見・解決力:市場や事業や産業において本質を的確に捉えた問題設定ができる。また、設定した問題を適切に解決することができる。
  3. 戦略構想力:俯瞰的かつ長期的な視点から論理的に戦略を構想することができる。
  4. ネットワーキング力:新たな価値を生み出すために、新たな繋がりを作り出すことができる。
  5. 巻き込み力:現場・組織・社会を変えるためにアイディアと行動を通して他者を巻き込むことができる。
  6. 資源動員力:目的遂行のためにヒト・モノ・カネ・情報・知識といった多様な経営資源を獲得し、活用できる。
  7. コンプライアンス力:企業家として高い倫理性を備えた経営を実践できる。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

<カリキュラムの基本構成>

カリキュラムは、3つの要素によって構成されています。 一つ目は、専門分野です。「戦略」関連科目群を中心に、「マーケティング」「人的資源管理」「ファイナンス」「経営法務」という5つの専門分野から構成されています。
二つ目は、学習段階に応じた科目構成です。専門分野ごとにそれぞれ「基礎科目」「発展科目」「専門科目」が設定されています。必修科目である「基礎科目」によってその分野の必須知識を身につけた上で、より高度な「発展科目」を履修し、それぞれの専門分野における最新のトピックや統計などの方法論について学ぶ「専門科目」に進むことで体系的に専門性を身につけることができるように構成されています。これらの体系的なインプットに基づき、プロジェクト研究において自分自身のテーマで学習を進め、プロジェクト・レポート、論文や課題研究などのアウトプットを作成することでより深く知識を身につけ実践することができるようになります。
三つ目は、評価基準です。戦略経営研究科では、チェンジ・リーダーの育成という教育目標を達成するためには、7つの能力を身につける必要があると考えています。各科目はこれら7つの能力のいずれか(複数の場合もある)を達成するように設計されており、評価基準が7つの能力と対応しています。具体的には、以下のように対応しています。

1.現状理解力・想像力:
「経営戦略論」「マーケティング戦略論」「現代社会の経済学」をはじめとする基礎科目や「アントレプレナーシップとビジネスプランニング」などの発展科目、さらに「社会調査法」など方法論を含む専門科目で学ぶフレームワーク・理論・方法論によって、人や組織や市場を分析し現状を適切に理解し、その未来について考察できるようになります。

2.問題発見・解決力:
5分野の基礎科目、さらに発展科目群や「デザインシンキング」などの専門科目群をバランスよく履修することで、課題を発見し適切に解決する能力を育成します。さらに、主に2年次で履修する「フィールドラーニング」、「プロジェクト研究」などにおいて、市場や事業や産業において本質を的確に捉えた問題発見・解決能力を育成します。

3.戦略構想力:
基礎科目である「経営戦略論」や発展科目である「ビジネスモデル戦略論」を履修することで、俯瞰的かつ長期的な視点から論理的に戦略を構想することができるようになります。また、専門科目群には、「グローバル経営戦略論」を中心としたグローバル科目群を配置しており、グローバルな視点を習得します。

4.ネットワーキング力:
発展科目では、例えば「知識創造戦略論」において組織内外の知識を結び付けて新たに知識を創造する仕組みを学び、専門科目では、例えば「アライアンス戦略論」などで企業間ネットワークについて学びます。さらに、「フィールドラーニング」や「プロジェクト研究Ⅰ・Ⅱ」では、グループワーク(フィールド調査、ケーススタディ、企業訪問等を含む)によって、経営において新たな価値を生み出すためのネットワーキングについて実践的に学びます。

5.巻き込み力:
基礎科目である「リーダーシップコア」では、自らがありたいリーダー像を描き、チェンジ・リーダーとして取るべき行動を具体的に考えていくことで、周りを巻き込んで自分の職場を変えていくことを学びます。「経営戦略論」、「イノベーションの実践」、「実践変革マネジメント論」などでは、経営の最前線で活躍する現役リーダーの体験談を聞くことで、戦略を具体化する方法や人々を巻き込む行動について学びます。また、「アントレプレナーシップとビジネスプランニング」等の科目を履修することで、起業や新規事業創出について学びます。さらに、「フィールドラーニング」では、現場・組織・社会を変えるためにアイデアと行動を通して他者を巻き込むことを実践を通じて学ぶことができます。

6.資源動員力:
「企業会計とファイナンスの基礎」「人的資源管理」をはじめとする基礎科目や「雇用管理」「コーポレートファイナンスと企業戦略」「知識創造戦略論」などの発展科目、「イノベーションの実践」などの専門科目において、目的遂行のためにヒト・モノ・カネ・情報・知識といった多様な経営資源を獲得し、活用するための知識が身につきます。「アントレプレナーシップとビジネスプラニング」や「フィールドラーニング」ではその知識をどのように実践するかを学びます。

7.コンプライアンス力:
基礎科目である「経営法務概論」や発展科目である「コンプライアンス・内部統制と法実務」において基本的な企業倫理教育や法令遵守の精神を学びます。また、「企業の社会的責任」は専門分野に関わらず履修を推奨される科目であり、企業がその活動を通してどのような社会的責任を果たすべきかを学びます。さらに、様々な科目において倫理的な側面についても議論しており、多様な側面から企業倫理について学ぶことができます。

<カリキュラムの体系性>

戦略経営研究科では、授業科目を体系的に配置し、学生が段階を踏んで学修を進める環境を整えることで、学修成果の向上を図っていきます。
1年(前期):「経営戦略論」と「リーダーシップコア」をはじめ必修である基礎科目において1.と2.と3.に関する基礎的知識を身につけます。
1年(後期):引き続き基礎科目を履修するとともに発展科目と専門科目を履修し、1.と2.と3.の学びを深めます。また、「フィールドラーニング」での学びを通して、1.と2.と3.を養うとともに、4.と5.と6.の能力を高めていきます。また、1年次に基礎科目である「経営法務概論」を履修し、さらに各講義において様々な側面から倫理的な課題について考えることによって7.を身につけます。
2年(前期):「フィールドラーニング」や必修科目である「アントレプレナーシップとビジネスプランニング」、また「プロジェクト研究Ⅰ」において1.〜7.を総合していくための準備を行います。
2年(後期):「プロジェクト研究Ⅱ」で、一段と専門性の高い1.と2.と3.についての知識・技能を身につけます。さらに、「論文」もしくは「課題研究」において2年間の学修を総合した成果の作成を通じて、1.〜7.を涵養します。
これらのカリキュラムに加えて、アクション&リフレクション・プログラム(入学時のキックオフ・セミナー、半期毎のリフレクション・セミナー、修了時のラップアップ・セミナー)によって、節目節目で内省を行うことを習慣化させ、1.〜7.の学習効果が高まるように設計されています。

入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)

<求める人材>

戦略経営研究科では、組織の戦略経営に関する分野における理論並びに実務に関する教育研究を行うことにより、広く豊かな学識と優れた専門能力を有し、自分を変え組織を変え社会を変えることでビジネスを通じて社会に貢献できる人材、すなわちチェンジ・リーダーを養成することを目的としています。この目的を達成するため、次のような人材を求めています。

  • 社会・経済の急激かつ不確実な変化の中で、所属する企業・団体の存在意義や今後の方向性を真剣に考えている人
  • 異なる業種・職種・企業・団体の人々との交流を通じて、職業人としての視野を広げ、新たな視点を得ようとする人
  • 自らに欠けている知識の習得や具体的なビジネス・スキルの向上をめざし、それを自ら所属する企業・団体に応用しようと試みる人
  • 職業経験をもち、近い将来に経営幹部や経営者(CEO、COOなど)、事業承継、さらに起業を目指す人
  • 自らの職業人としてのキャリアパスを見直し、新しいキャリア・イメージを確立したい人
  • 実務経験で身につけた暗黙知を理論的に整理し、実務家教員など研究者へのキャリア転換を考えている人
  • グローバルな仕事で活躍したいと考えているビジネス・パーソンを目指す人
  • 日本でビジネスができる能力を身につけたいと思っている外国人ビジネス・パーソン

以上のような人材を選抜するために、実務における具体的な問題意識およびありたいチェンジ・リーダー像を詳細に説明する志願理由書に基づいて複数人の教員によって面接試験を行なっています。

修了要件

本研究科の修了の要件は、本研究科に2年以上在学し46単位以上を修得することです。
なお、修了要件については、修得単位数の合計が単に46単位であればいいというわけではありません。科目区分によって修得しなければならない単位が定められており、これを全て充たす必要があります。科目区分ごとに定められている単位、修了に必要な単位を超える単位修得が可能で、かつ、余裕のある履修計画を立てる必要があります。

科目区分 修了に必要な最低修得単位
基礎科目 14単位必修 46単位以上
発展科目 共通 2単位必修
その他分野 2科目4単位
専門科目 6単位選択必修
プロジェクト研究科目 プロジェクト研究 8単位必修
論文・課題研究  
※ 履修上のルールについて
  1. 基礎科目: 7科目14単位必修。
  2. 発展科目: 「アントレプレナーシップとビジネスプランニング」1科目2単位必修およびその他の分野の科目2科目4単位選択必修。
  3. 専門科目:3科目6単位選択必修。
  4. プロジェクト研究科目:「プロジェクト研究Ⅰ」「プロジェクト研究Ⅱ」の2科目8単位必修。 「論文」、「課題研究」は選択科目。