ビジネススクール フィールドラーニング(モンゴル・フィールドワーク)

フィールドラーニング(モンゴル・フィールドワーク)

フィールドラーニング(モンゴル・フィールドワーク)は、モンゴル貿易開発銀行(Trade & Development Bank of Mongolia: TDB)からの寄付講座です。寄付講座から平均で一人当たり100,000円程度の旅費補助が出ています。他の科目と異なり、現地を訪れて、現地企業、現地政府機関、そして現地に進出した日本企業、日本のODA事業による公益事業、また、他の国には見られない自然発生している中古車市場などを訪問しています。

特に同じくTDBからの寄付講座である「新興国ビジネス戦略」という科目において、モンゴルに進出した日系企業(2019年度はトヨタの代理店であるトヨタセールスモンゴリア)の戦略を策定しました。新興国という制度的に不完全な環境の中で、自動車の周辺にある潜在的な市場のためにどのように環境を整備するかという点に焦点を当てた戦略を策定し、同社を訪れてプレゼンすることにより、検証しました。

モンゴルの経済発展を視野に入れた戦略策定

もちろん、「モンゴル・フィールドワーク」では、さらにモンゴルの社会経済とその発展の方法について知見を深め、モンゴルの経済発展をも考慮に入れた戦略の策定に昇華することを試みました。たとえば、行ってみて初めて分かったこともありました。街を走っているほとんどの自動車は日本車であり、新車ではトヨタのランドクルーザーとレクサスが売れ筋で、あとは中古車、それもプリウスであることはあらかじめ調べて知っていましたが、その中古車を売り買いするための、CtoCの市場が自然発生していることは行ってみて初めて目の当たりにし、驚きました。車検制度も整備されておらず、またメーカーによる認定中古車も存在しないのに、中古車は盛んに取引されています。下の写真は、そんな環境でも、場所貸しの中古車市場、売りたい人は駐車スペースを借り、買い手は、相対取引を行う自然発生している中古車市場です。周囲に、銀行、修理工場、レストランが自然発生しているのが面白かったです。

受講生=参加者は、「新興国ビジネス戦略」とペアで履修した人が多く、自分の職業と結びつけながらいろいろな感想を持ったようです。

参加者の感想①:実業務と比べても遜色ないリアリティ

私は現在、広告代理店でデータ・テクノロジーを活用した事業開発を担当しています。他社を巻き込んで事業を創る・市場を創るという事に関心があり、事業開発の定義・思考プロセス・手法等に関する新たな知見を求めて中央大学ビジネススクールに入学し、更に、今回のフィールドワークに参加しました。

本フィールドワークで得られた知見は、新興国という制度・環境が特殊な状況下において、現状を企業・団体間のエコシステムという観点で可視化し、新たに市場を創る為の戦略を策定する為のフレームワークです。文献やインタビューを通じて、新市場を創る戦略策定に必要な命題を抽出し、それらを整理していく過程は、実業務と比べても遜色ないくらいにリアリティがあり、且つ、現地にて戦略提案を行う機会を設けていただけたことで、戦略策定に関するインプット・アウトプットがセットとなった、非常に有意義な講義でした。

加えて、今回はフィールドワークという形で現地を訪問する機会をいただけたことで、電話越しでのインタビュー調査では決して分からない、様々な知見を得ることができました。モンゴルの歴史・文化・政治・経済・国民性、それらを抜きして戦略策定を行うことはできないという事を改めて認識し、同時に、モンゴルという国家が持つポテンシャルの高さを体感した、貴重な体験でした。

今回、モンゴル貿易開発銀行様の寄付講座として本フィールドワークを開催いただきましたことを、この場をお借りして心より御礼申し上げます。前述した戦略策定プロセスの実体験に加えて、本フィールドワークを通して様々な方と人的ネットワークを形成できたことは、本フィールドワークが持つ醍醐味であり、且つ、自身にとってかけがえのない財産となりました。

参加者の感想②:フィールドラーニングで得る現実的な目線

CBS(中央大学ビジネススクール/戦略経営研究科)が開講しているフィールドラーニングは、まさに「ビジネスの現場で実践的に活用できる力を育成する」事に重きを置いた、数ある講義の中でも、非常に重要な講義の一つであると感じています。

中でも“モンゴルウィーク”は、モンゴル貿易開発銀行の支援の元、モンゴルに進出している日本企業の戦略立案を、実事例に基づいて行うという取組みです。特徴的なのは、「新興国というビジネスフィールド」において、ビジネスを拡大する為に、市場自体をどのように広げていけば良いのかという点に焦点をあてた『非市場戦略』の検討であり、この部分は、非常に実践的でもある為、モンゴルウィークの大きな魅力の一つです。

参加した私の感想としては、『百聞は一見に如かず』という一言に尽きます。そしてこれこそがフィールドラーニングの醍醐味であると思います。実際にモンゴルという新興国へ足を運び、その空気・様々な環境・モンゴルの人たち・モンゴルに関わる日本人との関わりを通し、現地のビジネスの状況を肌で感じる事ができました。この点は、MBAの通常の講義の中では決して得る事の出来ない経験であり、感覚であると思います。

実は私自身、MBAで事例に上がる事の多くは、「綺麗な成功例(もちろん背景には失敗もあると思いますが)」が多いように感じています。それは事後的に描いている為であると思いますが、実務の現場では「理想的な状態」と「現実」の双方を、絶妙なバランスで進行する事が求められます。この点で、通常のMBA講義の中では比較的に少ない“現実的な目線”を、フィールドラーニングでは得る事が出来ていると思いますし、「新しい市場を創る」という戦略を、現実の企業が今まさに直面している状況や課題を元に、未来に向けた議論を通して、提案を具体化していくという部分が、個人的には非常に魅力的でした。

もちろん、モンゴルと言えば大草原、英雄チンギスハーンの国です。これも堪能しました。