ビジネススクール

フィールドラーニングの内容

フィールドラーニングとは何か?

フィールドラーニングとは、現実の企業を事例とし、受講生一人一人が経営者の立場に立って課題を発見し、それに対する戦略を構築し、実行するためのアクションプランまで作り上げる実践的なプログラムです。

ケース・スタディとは本質的に異なる「学び」

フィールドラーニングは、伝統的なビジネススクールで行われてきたケース・スタディとは本質的に異なる「学び」を提供しています。課題設定に関しては、ケーススタディでは教員が事例に合わせて設定しますが、フィールドラーニングでは受講生一人一人が主体的にデータを集め、因果関係を推測しながら課題を発見しなければなりません。ですから、同じケース企業を対象としても、受講生によって設定する課題は非常に多様です。ある受講生はサプライチェーンが適切に機能していないことを課題と認識したのに対して、他の受講生はグローバル市場の開拓こそが喫緊の課題だと主張するかもしれません。FLではそれで全く問題ありません。むしろ、多様な課題設定こそがフィールドラーニングの学びの本質なのです。なぜならば、多様であるということは、受講生が自らの経験と頭脳を駆使して「自分自身の課題」を発見できたということなのですから。

課題解決に関しても、ケーススタディでは与えられた文章やデータの中から適切なデータを取捨選択し戦略を構築するという「文章読解問題」ですが、フィールドラーニングでは戦略構築に必要なデータは現場から自ら主体的に探し出してこなければならない点が異なります。財務諸表の数字を分析し、生産や営業や開発の現場に足を運び、経営幹部や一般社員に話を聞き、可能な限り競合他社や顧客についてのデータも収集し分析します。それらのパズルのピースのようなデータ群を論理的に組み合わせ、ダイナミックな動画として戦略を構築します。

学生同士の「学び合い」

これらの「学び」をさらに促進するのが、学生同士の「学び合い」です。我々の学生は豊富なキャリアを持つ社会人のみで構成されています。FLでは、教員と学生は「教える-教わる」という関係ではなく、教員は学生同士が「学びあう」ことを最小限の手助けをするに留めます。社会人学生たちはすでにこれまでの自分自身の経験やビジネススクールの他の科目での学習によってすでに潜在的に経営者のすべきことを頭では理解しています。FLでは、それらの「知っている」知識を「使える」知識に変換しなければなりません。そのためには、自ら考え抜いた意見をぶつけ合う学び合いが非常に重要なのです。

以上が、我々が標榜している “Knowledge into action”を体現したフィールド・ラーニングによる「学び」です。