中央大学法科大学院は、中央大学の卒業生であり、元最高裁判所判事である才口千晴先生による講演会『若き法曹志望者へ』を、2024年2月16日(金)に駿河台キャンパスにて開催いたしました。
当日は100名を超える多くの若手法曹や法曹を目指す法科大学院生や学生が参加し、才口千晴先生の長く豊富な実務経験、そして人生経験に裏打ちされたお話に加え、熱い質疑応答が実施され、非常に盛況な講演会となりました。
【講演会概要】
破産法、企業再生法の専門弁護士として、数々の企業再建に取り組まれ成果を上げ、また最高裁判所判事としても重要な判決(例えば国籍法違憲判決、非嫡出子の相続差別事件判決)において枢要な役割を果たされた才口千晴先生。
この度、中央大学の後輩に向けて、ベストセラーとなったご著書『新 弁護士読本 弁護士十年一人前論』の内容をもとに、これまでの長く豊富な実務経験、そして人生経験に裏打ちされた若き法曹志望者へこれからの法曹のあるべき姿についてお話いただきました。
◇ はじめに 講演の意義―母校の現状と将来そして期待
1.法曹とは何か
2.裁判官、検察官、弁護士、学者、公証人
3.弁護士の使命と職務
・ 人権の擁護
・ 社会正義の実現
4.倒産弁護士約40年
5.倒産法改正、民事再生法の立案に関与
6.権力対抗者(弁護士)から権力行使者(裁判官)へ
7.権力対抗者(弁護士)への回帰
8.法曹の立ち位置
・ 法曹の資質5原則(感性・寛大・分別・知恵・愛嬌)
・ 適正と迅速
・ 人間力(思考力・判断力)の涵養
9.AI時代を生き抜く法曹
・ コロナ禍による五感中三感の欠落
・ 生成AIの「ChatGPT」の出現
・ 交渉力、人間力の減退
・ 法曹三者の職務の変貌
◇ おわりに 若き法曹志望者へ贈る言葉
・ 信念、希望を失うな
・ 時を形に変えよ
・ 可塑性(夢・希望)の自覚と自信
【 才口千晴先生の経歴 】
1938 年 生まれ
中央大学法学部 卒業
66 年 東京弁護士 会 へ 弁護士登録( 18 期
89 年 東京弁護士会副会長
94 年 中央大学法 学部講師・客員 教授
95 年 司法 試験考査 委員
97 年 日弁連倒産法 改正問題検討委員会 委員長
98 年 法制審 議会倒産法 部会委員
99 年 最高 裁判所規則制定諮問委員会委員など 歴任
2004年1月6日~08年9月2日 最高裁判所判事
現在 TMI総合法律事務所顧問弁護士