ロースクール
授業ハイライト
会社法

会社法では、実際の紛争を意識しながら商法・会社法の基礎的な知識を習得することを目指しています。その際、重要になるのは、各論点における条文・学説・判例等に関する知識をばらばらに覚え込むのではなく全体を体系的に理解することと、具体的な事実を規範に正確に当てはめる能力を磨くことです。例えば、株主総会において合併決議が行われた際、取締役が株主の質問に十分回答したかが問題になったとします。その際には、仮に取締役の説明義務違反があった場合、それがどのような道筋によって合併の効力に影響するかを説明できなければなりません。権限分配、総会決議の取消し、代表取締役の専断的行為の効力、決議取消の訴えと合併無効の訴えの関係などを体系的に理解していなければ、その答えは導かれません。また、株主の具体的な質問に対して取締役が説明義務を果たしたか否かは、取締役の説明義務の存在を知っているだけでは判定できません。「平均的株主が合理的な判断をするのに客観的に必要な範囲まで説明したか」という認定基準に事実を的確に当てはめる力が必要です。この講義では、受講生全員がこうした能力を身に付けられるようにすることを目標としています。
刑事法総合Ⅰ

刑事法総合Ⅰは、法科大学院の2年前期に配置されている必修科目です。学生の皆さんが、学部や法科大学院の1年次で学んだ刑法の基本的知識を前提として、その知識を固め、広め、深めると共に、その応用力を養い、問題分析力や法的思考力を伸ばすことを目的としています。研究者教員と実務家教員がそれぞれの強みを生かして協力して授業を担当します。法律の実務は判例を基に動いていますから、法律家になるために必要な学識を身につけるためには、重要な判例をしっかりと理解することが重要です。もちろん、判例が常に正しいとは限りませんし、判例は時代とともに変化しうるものですから、判例を批判的に検討する能力を身につけることも重要です。そのために、授業においては、重要な判例について、事案の内容、論拠を含めて十分に理解し、発展的に応用可能な程度まで修得することを目指します。授業は、それぞれの授業担当者が作成した教材を用いて行います。そこには、学修に必要な判例および学説や具体的設例が盛り込まれていますので、教材を使って予習復習を行い、授業にしっかりと取り組むことで、法律家になるために必要な実力を養うことができるはずです。
民事執行保全法

民事執行及び民事保全は、教科書で学んだ実体法上の権利を現実社会で実現する手段ですから、実体法の理解と車の両輪の関係にあります。この実体権の実現過程に対する正確な理解がなければ、社会の中で私法上の権利を適切に取り扱うことはできません。さらに、民事執行と民事保全を通じて私法上の権利を理解することは、単に裁判所を通じた法律業務に役立つだけでなく、資産流動化取引やプロジェクトファイナンス等に代表されるような複雑かつ精緻な企業法務において正確な契約条項による精密な法律関係を構築できる能力を磨くことでもあります。すなわちこの授業は、法科大学院から司法研修所教育への橋渡しを意識しつつ、司法試験の領域と実社会とを繋ぐ役割を担う重要な展開先端科目です。授業では、この分野が履修学生にとってそれまで殆ど馴染みのなかった法領域であることを前提に、基本構造を理解するための基礎的説明の反復を経て、実体法上の権利との交錯が登場する演習問題を双方向で展開し、正確な知識の定着と実務的な思考回路の醸成を目指しています。





