中央大学法学部の海部健三教授と白石広美研究員、および台湾国立大学の韓玉山教授は、分子生物学的手法と定量的な世界的推定値に基づく研究により、世界規模のウナギ消費実態を明らかにしました。今回得た消費データは、世界の小売店・外食店で販売されているウナギとその加工品の種をDNAバーコーディングによって特定し、その結果を生産量と貿易統計によって重み付けする新手法を用いて統合、算出しています。この研究結果は、2025年8月15日に国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。

図:サンプル採集地域と国ごとの種構成
緑の点はウナギサンプルを採集した都市。円グラフは11カ国・地域の種構成を示す。■アメリカウナギ、■ヨーロッパウナギ、■ニホンウナギ、■インドネシアショートフィンウナギ。ヨーロッパウナギは日本と中国、インドネシアショートフィンウナギは香港でのみ検出されている。左下の「Whole samples」は、流通量を考慮していない単純な種構成を示す。
詳細は、「プレスリリース」をご覧ください。
また、海部研究室が取り組む研究内容について興味をお持ちの方は、下記もご覧ください。
- 「+C」Researchers記事「ウナギの保全と持続的利用を実現する」
- 法学部 海部研究室主催:ワークショップ「現場型ウナギ種判別技術の実用可能性」を開催(2025年7月23・24日 )
- 国内の小売店流通のウナギ加工品の種を同定 ~日本で販売されているウナギ蒲焼、約4割がアメリカウナギに〜
- WWFジャパンと中央大学、ウナギの取引と流通の最新動向をまとめたファクトシートを共同発表
- News「日本政府によるウナギ資源管理について市民が望む政策 ~仏・研究機関と共同で調査」(2024年8月1日)
- プレスリリース「国際協力によりシラスウナギ漁業のステークホルダー参加型の資源評価が可能に 〜インドネシア、ジャワ島における調査研究〜」(2024年3月29日発表)