研究

理工学部教授 山村 寛:B-DASHプロジェクトによる実規模施設が気仙沼市に完成

2024年04月05日

中央大学研究開発機構「水・汚泥処理の脱炭素化・DX化・高度化ユニット」(ユニット長:理工学部教授 山村寛)を含む共同研究体にて実施しているB-DASHプロジェクトについて、実規模施設として下水汚泥の超高温炭化炉が気仙沼市に完成しました。

2024年3月19日に竣工式が執り行われ、共同研究体の各社の他、国土交通省や気仙沼市の多くの関係者が出席しました。地元メディアの取材もあり、本研究への期待が寄せられております。

事業概要
・研究名称:汚泥の高付加価値化と低炭素社会に貢献する超高温炭化技術に関する実証事業
・実施者:大同特殊鋼・テツゲン・グリーンテック・中央大学・気仙沼市共同研究体
・実証技術:下水汚泥の活性炭利用等による高付加価値化の実現に向けて、熱効率を高めた省エネ型超高温炭化システムによる活性炭代替材等の製造、温室効果ガス排出量削減効果、コスト削減効果を実証する。

下水汚泥は、毎年、東京ドーム185杯分(2億3000万m3)発生しており、減量化の後に、安定化した上で処分されています。近年では、下水汚泥中に含まれる炭素、窒素、リンなどを資源として有効利用する手法が研究・開発されています。本研究で実証する超高温炭化技術は、下水汚泥中に含まれる塩分や重金属を低減しつつ、多孔構造が発達した高機能な活性炭に変換することが可能になります。この活性炭は、将来的には下水処理場で発生する臭気や硫化水素などの除去のために場内で利用されるほか、高機能な土壌改良材として市民や周辺の自治体に配付・販売される予定です。中小都市のカーボンニュートラル化、ならびに経済の活性化が期待できる新技術として、注目されています。zz