研究

理工学部助教 李 恒ら:研究原著論文が『Advanced Sensor Research』誌のFront Conver(表紙)に選定

 本学理工学部電気電子情報通信工学科助教 李 恒らの研究原著論文が『Advanced Sensor Research』誌のFront Cover(表紙)に選定されました。
 詳細は下記の通りです。

〇 論文内容

題  目: Simultaneous Multi-Layer Stacking for Longer-Wavelength Broadband Computed Tomography with a Carbon Nanotube Film Photo-Thermoelectric Camera Sheet
著  者: Miki Kubota, Leo Takai, Minami Yamamoto, Kohei Murakami, Asumi Sano, Noa Izumi, Tsubasa Hiyoshi, Yukio Kawano, Kou Li
掲載情報: Advanced Sensor Research  5, 2, e00132, 2026.
掲載日
(Front Cover):
2026年3月2日
Advanced Sensor Research  5, 3, e70140, 2026.


〇 『Advanced Sensor Research』誌・Front Coverについて
 Advanced Sensor Researchは、Wiley社により刊行される査読付き国際学術誌・科学誌であり、センシングを基軸とする高品質なテクノロジー・サイエンス研究が収録されております。Front Coverは同誌の中でも科学的・技術的な観点から最もスポットライトを浴びている論文が選定され、Volume毎に表紙としてハイライトされております。

〇 コメント
  
この度の研究ハイライトに際し、身に余る光栄に存じます。「センシングを基軸とするテクノロジー・サイエンス」は、私の研究の根幹を成す領域であります。同分野ならびに本学の研究・教育発信に微力ではございますが引き続き貢献できますよう、上記ハイライトを励みに今後も誠心誠意取り組んでまいります。これまでに取り組んできた内容の成果、そして今後の発展性を高く評価していただいた形になりますが、私1人では決してこの様な栄誉にあずかることはありませんでした。特に本論文は本学・理工学研究科 電気電子情報通信工学専攻 修士課程の久保田 実樹君らが中心となり、弛まぬ努力で結実させてくれた成果となります。河野 行雄先生(理工学部 電気電子情報通信工学科)や産業技術総合研究所・鈴木 大地博士をはじめとする長年にわたる共同研究者の皆様方、また電気電子情報通信工学科の先生方・スタッフ様をはじめ、日頃から校務にてご指導いただいております理工学部の皆様方に改めまして厚く御礼を申し上げます。そして、日々、失敗や困難が続いても粘り強く一生懸命に研究を支えてくださっている当グループの皆様方(学生さん、技術支援員様、事務支援員様)、最後に最大の支えである家族に心より深く感謝を申し上げます。

○ 研究ダイジェスト
 本論文において李助教・久保田氏らは、カーボンナノチューブ(CNT)光熱起電力効果(PTE)センサを用いたテラヘルツ–赤外(THz–IR)帯でのコンピューテッドトモグラフィ(CT)非破壊検査において、センサ画素を広視野な2D平面上へカメラ構造として集積することにより、先行研究(1Dアレイ画素計測)と比較して37 %のシステム動作時間短縮を実証しました。李助教らが確立したエアジェットディスペンサ技術により、本成果はCNT型PTEセンサを1 mmピッチ・20画素アレイ・5 mmピッチの3アレイラインという2Dカメラ構造へ集積しました。このデバイス基盤を活かすことで、直線空間走査が不要な10 mm角超の広い視野範囲を976 nm–10.3 µm波長域におけるCT計測にもたらし、目視では不透明な遮蔽物により隠された複合検査物(4種類の異種素材により構成)に対して、11分という高速システム動作、および10 %未満の計測誤差率という高い信頼性により、非破壊な材質同定・3Dモデリングを実現しました。
 李助教・久保田氏らが確立したMMW–IR帯CTによる材質同定・構造復元ハイブリッドな非破壊検査手法においては、上記技術において基盤となるCNT型PTEセンサの集積密度が動作速度に対する支配的要因であることを解明し、本研究は2Dカメラ化という第一歩のデバイス集積化により非破壊検査計測における高速化を実現しました。これらのコンセプトは李助教らが推進しているCNT分散液の制御および微細CNTパターニングとの親和性が極めて高く、今後は更なるMMW–IR帯CVの高速動作化が見込まれると同時に、オンサイトシステム実装への還元も大いに期待されます。

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