理工学研究所

理工学部助教 今井 洋:タンパク質「ダイニン」の研究成果をプレスリリース

2015年09月15日

理工学部助教(生命科学科)今井 洋の、細胞内を移動するタンパク質「ダイニン」に関する研究成果のプレスリリースを行いました。本研究成果は、大阪大学大学院理学研究科 昆 隆英 教授、理化学研究所 島 知弘研究員(現東京大学大学院理学系研究科 助教)、英国国立リーズ大学スタン=バージェス博士、ピーター=ナイト教授との共同研究により得られたものです。英国のオンライン科学雑誌『Nature Communications』(日本時間平成27年9月14日(月)付)に掲載されました。

 

細胞内を移動するタンパク質「ダイニン」が 動いているときの構造が見えた! —細胞内の物質輸送を行う分子モーターが動く仕組みの解明へ—

私たちの体を構成する細胞は、効率的な物質輸送システムを内包しており、核、ミトコンドリア、RNA、タンパク質など多種多様な物質を、必要な場所に必要なタイミングで輸送しています。細胞内物質輸送システムの中核を担うのは、分子モーターと呼ばれる2 種類のタンパク質群―キネシンとダイニンです。本研究では、低温電子顕微鏡法により、微小管の上を動いている最中のダイニンの構造をとらえることに、初めて成功しました。本研究は、この研究のために特別にデザインした組換えダイニンを用い約6年間をかけて低温電子顕微鏡観察条件の最適化を行い、新規画像解析法を適用した結果、達成されたものです。本研究をもとに、様々な疾患に関連したダイニンの変異体の可視化が実現すれば、将来、神経疾患や成長異常の原因の解明や治療などへの展開が期待されます。また、癌の原因の解明や治療への利用も期待されます。

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