理工学研究所2017年度第１回特別講演会 「バーチャルリアリティ・システムに入って見えるもの」

喜多　伸一

神戸大学人文学研究科心理学研究室　教授　

　バーチャルリアリティ（VR）は、人間の感覚系を刺激することにより、現物と本質的に同じとなる環境を実現する技術です。一般に流通しているVRシステムは人体に装着する仕様のものが多いですが、この講演では、人間がその中に入ることができるような大型で没入型のVRシステムを用いて人間の感覚や行動を調べる実験を扱います。
　講演者は2000年代初頭に産業技術総合研究所と連携して、人間の感覚と動作の関係を明らかにするVR実験を行っていて、現在はさらに大型化したVRシステムを用いて、健常者や視覚障害者が歩行中に周囲をどのように見ているかを明らかにする実験を行っています。この研究は、理工学と心理学が連携することにより、視覚障害者の転落事故を防止し、また歩きスマホの安全性と危険性を明らかにして社会に貢献することを目的としています。

学生・教職員・地域の皆様・講演に関心のある方

100名

参加費無料
 

事前申込不要

中央大学理工学研究所