人文科学研究所主催公開研究会開催のお知らせ（「アフロ・ユーラシア大陸における都市と国家の歴史」チーム）

講 師： 舟橋 倫子 客員研究員

テーマ： 「キリスト教世界の埋葬と墓地ーー中世盛期ブリュッセル地域の事例からーー」

要 旨： 　墓と死者供養の問題は東洋史と西洋史の双方から接近可能なテーマである。本報告では、ヨーロッパ中世史の立場から、ブリュッセル地域における事例を検討する。先祖崇敬を否定する教会権威は自らを死者と生者の仲介者と規定し、俗権と結びついて時代状況に適応した多様な社会的機能を果たしてきた。本報告では、一般の人々の埋葬（教区教会・修道院）、聖人の墓と遺骨への崇敬、さらに領邦君主（ブラバン公）の墓地に関連する史料の分析から、死者と生者の交流によって形成されていった中世の一側面を提示することを目指す。

人文科学研究所研究会チーム「アフロ・ユーラシア大陸における都市と国家の歴史」