Eventイベント
人文科学研究所
人文科学研究所主催公開研究会開催のお知らせ(「比較神話学研究」チーム)
- 日程
- 2016年9月9日(金)14:00~17:00
- 場所
- 駿河台記念館620号室
- 日程
- 2016年9月9日(金)14:00~17:00
- 場所
- 駿河台記念館620号室
- 講師
講 師: リシャール・トラクスラー 氏 (チューリッヒ大学教授)
- 内容
テーマ: 「余剰な1本の剣‐中世フランス語韻文物語『双剣の騎士』をめぐって」
要 旨: 13世紀にフランス語で書かれた円卓物語『双剣の騎士』の主人公の特徴は、その異名通り、2本の剣を携えていることである。実際には物語の途中で、主人公は3本の剣を持つことになる。1本目は自分の剣、2本目は亡き父が使っていた剣、3本目は不思議な剣である。本報告では3本目の剣に注目する。この剣から流れ出る血は拭いとることができず、この世で最良の騎士を除き、この剣を手にした者は命を落とすことになると言われていた。したがって、この剣を手にする「双剣の騎士」は、最良の騎士ということになる。この剣はかつて、ある騎士に不治の怪我を負わせていた。「双剣の騎士」は、同じ剣を使って手負いの騎士に斬りつけることで、その怪我を治してみせる。すると剣に残っていた血が消え去り、そこに「双剣の騎士」の本名メリアドゥックが現れる。
このように3本目の剣は、主人公が最後の偉業を果たす手助けをし、主人公の身許を明らかにしてくれる。本報告では類例として、アーサー王とエクスカリバー、ロランとデュランダルなど、武具(その大半は剣)が騎士と深いつながりを持っている有名な例をいくつか紹介したい。講演言語: フランス語 通訳あり
- 企画実施名義
人文科学研究所研究会チーム「比較神話学研究」