Eventイベント

人文科学研究所

人文科学研究所主催公開研究会開催のお知らせ(「言語の理解と産出」チーム)

日程
2016年4月25日(月)18:15~19:45
場所
多摩キャンパス 3号館5階3529(3535英語文学文化研究室を通ってお入りください)
日程
2016年4月25日(月)18:15~19:45
場所
多摩キャンパス 3号館5階3529(3535英語文学文化研究室を通ってお入りください)
講師

穂苅 友洋客員研究員 (中央大学文学部兼任講師)

内容

テーマ:   「日本語母語話者の中間言語における英語受動形態
            素の統語性質-日本語間接受動文の影響から-」

要 旨:  日本語母語話者が英語受動文を習得する際に,日本語間接受動文(例:私 は息子に泣かれた)を転移させたような誤り(例:*I was cried by my son)が見られる(Izumi & Lakshmanan, 1998他)。本研究では,この誤りを引き起こす原因を特定するため,受動形態素の性質が日本語と部分的に異なる仏語の母語話者との比較研究を行った。
            中級・上級の英語熟達度を持つ仏語並びに日本語母語話者に容認性判断課題を行った結果,学習者母語の受動形態素の性質から予測されるように,日本語      母語話者だけが間接受動文を容認した。しかし,日本語母語話者による間接受動文容認は自動詞に限られていたという母語の性質だけでは説明しきれない結果も得られた。これらの結果は,(a)日本語受動形態素ラレの外項付与能力の転移と(b)母語と目標言語の中間に位置する格(素性)吸収規則の形成から説明できると提案し,前者は否定証拠の欠如,後者は目標統語規則が適用される統語環境に対する不 完全理解(Lardiere, 2008,)から生ずると考察する。
 

企画実施名義

 

人文科学研究所研究会チーム「言語の理解と産出」