Eventイベント

人文科学研究所

人文科学研究所公開研究会開催のお知らせ(「視覚と認知の発達」チーム)

日程
2016年3月28日(月)16:00~17:30
場所
多摩キャンパス 3号館 3913号室 
日程
2016年3月28日(月)16:00~17:30
場所
多摩キャンパス 3号館 3913号室 
講師

前原 吾朗(マエハラ ゴロウ)氏(神奈川大学人間科学部 准教授)

内容

テーマ: 「両眼、単眼、両眼分離呈示条件における運動方向弁別閾」

 

要 旨:本研究の目的は、輝度コントラストパターンの運動視処理において左右眼からの信号がどのように統合されるのかを計算モデルに基づいて明らかにすることである。ターゲット刺激には上下いずれかの方向にサイン波が運動するガボアパターンを用い。ペデスタル刺激には点滅するガボアパターンを用いた。このペデスタルは上下方向の運動成分を等しく持っており、そのコントラストは独立変数として操作された。ターゲットはペデスタル上に重ねて呈示されるが、これらの刺激を両眼呈示、単眼呈示、または両眼分離呈示した。課題は運動方向弁別で、弁別に必要なターゲットコントラスト閾が計測された。ペデスタルコントラストが低いとき、単眼呈示よりも両眼呈示の方が閾値は低かった。また、両眼呈示と単眼呈示において閾値対ペデスタルコントラスト(TvC)関数は杓子(dipper)型になったが、両眼分離呈示のときには閾値の低下は見られなかった。ターゲットとは反対方向の運動成分のコントラストをペデスタルから引くと閾値は低下した。この反対方向成分の減少がターゲット呈示眼で起こるか、もう一方の眼で起こるかに関わらず、閾値低下は同程度であった。こうした閾値データに最もよくあてはまるモデルから、運動方向に選択性を持つ処理は単眼性であるが、両眼情報統合後に除算的感度調整処理(divisive gain control)と反対処理が行われることが示唆された。


主 催:人文科学研究所研究会チーム「視覚と認知の発達」