人文科学研究所公開研究会開催のお知らせ（「ルソー研究）チーム」

ブレーズ・バコフェン氏（フランス、セルジー・ポントワーズ大学准教授）

テーマ：「正しい不平等は存在するか？最盛期以前の経済的自由主義の批判者Ｊ・Ｊ・ルソー」

要   旨：「ディジョンの懸賞課題に答えた『不平等論』は課題の枠組みを遥かに越えている。ルソーは政治的ヒエラルキーの正当性を論ずるだけでは満足せず、経済的ヒエラルキーの正当性も論じている。ジョン・ロックの諸テーゼと濃密な対話をしながら、思考されざる事柄を明るみ出し、主として、産物の所有と入念に区別された地所の所有の決定的役割を明らかにする。そうすることによって、ルソーは既存の不平等がしばしばなぜ労働や功績と相関関係にないのかを理解可能としてくれる。ロックの経済思想はアダム・スミスのそれと共に１９世紀になって経済的「自由主義」と呼ばれることになるものの原型の一つだ。ルソーによるその批判は、彼の時代以来増大を続けて止まない不平等に常に現代的な照明を当ててくれる。地所の第一の形態たる土地は事実今日「資本」と我々が呼ぶものの基礎でありパラダイムなのだ。」

主　催：人文科学研究所共同研究チーム「ルソー研究」