Eventイベント

人文科学研究所

人文科学研究所公開研究会開催のお知らせ

日程
2015年1月9日(金) 16:00~17:30
場所
駿河台記念館510号室
日程
2015年1月9日(金) 16:00~17:30
場所
駿河台記念館510号室
講師
郷田 直一 (ごうだ なおかず)氏
(生理学研究所感覚認知情報研究部門、助教)
 
内容
テーマ: 「長期的な視触覚経験が視覚野の情報表現に与える影響」
要  旨: 我々は、日常的に、複雑な視覚入力から金属、石、木など、物体の素材を瞬時に認識し、適切に行動を選択している。我々の研究グループはこのような素材の視覚認識が脳においてどのように実現されているのかをfMRI 実験により明らかにする研究に取り組んでいる。これまでの研究により、素材の視覚認識には脳の腹側視覚経路が関わっており、さらにこの高次視覚野は、素材の視覚的情報に加え、硬さや重さといった一部の触覚的情報をも表現している可能性が見出されている。このような多感覚的な脳表現はどのようにして形成されるのであろうか?素材の硬さや重さといった触覚的特徴は本来視覚情報のみから得られるものではない。一つの考えは、長期にわたる、日常的な視触覚経験を通して、様々な素材の視覚的特徴と触覚的特徴との連合が学習され、その結果として、多感覚的な素材情報表現が高次視覚野において形成されるというものである。本講演では、このような考えを支持する我々の最近の研究について紹介する。

主 催:人文科学研究所研究会チーム「視覚と認知の発達」