ビジネススクール

CBSからのメッセージ No.3 ~CBSの新たな挑戦:平日オンライン+土日キャンパス対面講義の導入(2022年4月より)~

2022年03月16日

--- 目 次 ---
1.はじめに
2.どのような講義を実施するのか?
3.誰にどのようなメリットがあるのか?  
・夕方まで業務が残ることが多い方、出張が多い方
・東京都心から離れた郊外や遠隔地に勤務している方
・在宅勤務が多い方
・育児中の方
4.の挑戦:新しい学びを創造するために
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1.はじめに

コロナ禍は大学での学び方を大きく変えました。CBS(中央大学ビジネススクール)での学びも、その例外ではありません。わたしたちも、コロナ禍における対応として、オンライン講義を中心とする「新しい学び」の導入に積極的に取り組んできています。

私たちはこの対応のなかで、「新しい学び」に関するノウハウを、学生・教職員一体となって懸命に蓄積してきました。そして、その試行錯誤のなかで、多くの気づきを得ることができたのです。

その気づきの一つは、オンラインという講義形式は、ビジネススクールの社会人学生の学びにとって、有利な面をいくつも含む方法だということです。オンライン講義は、多忙な社会人学生にとって利便性が極めて高く、かつ、講義の質も彼女・彼らのニーズを十分に満たすものであることがわかったのです。学生からは次のような声が聞かれました。「対面講義も良いけれど、もうオンラインなしの大学院生活には戻れない」、「CBSにとって、対面もオンラインの両方ともに重要な方法だ」など、対面講義の良さを十分に認めつつも、オンライン講義に対する前向きな意見を述べる学生が数多くいたのです。

そこで、わたしたちは、次のような決定をしました。

 

その決定とは、20224月からは、原則として、

 

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平日(火〜金) 「オンライン」 + 週末(土日) 「キャンパスでの対面」

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という組み合わせで講義を実施することです。この決定は、オンライン講義を、コロナ禍における一時的な対応策としてとらえるのではなく、CBSの教育サービスにおける中核的な方法と位置づけるものです。

実は、このオンライン講義の正式な導入は、わたしたちCBSにとって、「新しい学びを創造するための挑戦」に他なりません。ただ、オンライン講義が、「なぜ新しい学びの創造になるの?」と、疑問に思う方もいるかもしれません。

そこで、私たちは、このメッセージを通じて、CBSがどのような学びの方向に向かっているのかを紹介しようと考えました。このメッセージが、CBSの特徴を理解していただく助けとなれば幸いです。

 



2.どのような講義を実施していくのか?


まず、議論の前提として、わたしたちが、どのような講義を実施しているのかを、「オンライン授業」と「キャンパスでの対面授業」、それぞれを対比することで、ご紹介しましょう。

 

 

・CBSのオンライン講義(ライブ双方向型・平日)
CBSのオンライン講義は、録画されたビデオを視聴する、一方向のオンデマンド型ではありません。教員と学生が同時に講義に参加し、学生と教員との質疑応答や学生間でのグループ討議が実施されます。つまり、いわゆる「ライブ双方向型」の講義が展開されているわけです。オンライン上で、ガヤガヤとディスカッションが行われている姿をイメージしていただくと良いでしょう。

 

 

オンラインの形式に限らず、わたしたちが講義によって目指しているのは、実践志向の「気づき」をうながすことです。これは、CBSの強みである学生たちの「豊富な実務経験」に、教員が提供する「理論」が融合することで、実践可能な新たな気づきを生み、現場でのアクションにつなげていくCBS独自の教育方法です。新たな気づきを生むため多層的に展開されるCBS独自のディスカッションの形を、わたしたちは「CBS型ディスカッション」と呼んでいます。

 

 

単に理論の存在を知るだけではなく、「この理論によれば、このやり方のほうが、私の会社では適切かも。次の会議で提案してみよう。」など、実務での改善策や提案を思いつくことを講義の理想としています。このような講義が、オンライン形式でも実施されているのです。

 

 

CBSのオンライン講義の様子が、「スタディサプリ社会人大学院2022年度版」に紹介されています。

◆その内容について知りたい方は以下をご覧ください。◆

 

 

>>CBSのオンライン講義の取り組みについて知りたい方は、こちらをご覧ください。

CBSからのメッセージ No.2 CBSのコミュニティが目指すWithコロナの新しい学び:CBS型ハイブリッド講義」

 

>>CBS型ディスカッションについての知りたい方は、こちらをご覧ください。

 

・CBSのキャンパスでの対面講義(後楽園・駿河台キャンパス・週末土日)

もちろん、私たちはオンライン講義だけで十分な学びの価値が提供できるとは考えていません。会話のコンテキストをメンバー間で共有すること、スピーカーの熱量や感情を感じること、セレンディピティ(よい結果につながる偶然)が生まれること、一つの事象についてディスカッションを通して深く掘り下げていくこと、などには、対面のコミュニケーションに圧倒的な優位性があるからです。このこともコロナ禍で学んだことの一つです。

 

そこで、私たちは、キャンパスでの対面の学びを土日に集中させることで、ビジネスパーソンの豊かな学びをサポートすることにしました。この切り分けによって、学生も教員も、対面講義のメリットを週末に最大限に発揮・享受するよう、意識するようになるはずです。

 

対面講義では、「このやり方どう?」「これ知ってた?」など、小さくても密なコミュニケーションが活性化します。このようなやりとりが、現場でのアクションへのヒントを生みだすに違いありません。また、オンライン講義だけに頼ると不足しがちなのは、会話の「余白」です。たわいもない会話から、お互いの考え方を理解しあったり、信頼感が醸成されることは珍しいことではありません。キャンパスでのグループワークや、休み時間や講義後などのインフォーマルなコミュニケーションは、人的ネットワークを構築したり、クリエイティビティにつながる偶然を生じさせるために不可欠なものです。土日のキャンパスでの対面コミュニケーションは、このような「意味ある雑談」をする機会にもなるのです。

(注)CBSのキャンパスは、2022年度までが後楽園キャンパスです。2023年度からは駿河台新キャンパスとなります。

>>後楽園キャンパス、駿河台キャンパスへのアクセスについて詳しく知りたい方はこちら

 



3.誰にどのようなメリットがあるのか?

わたしたちCBSが、「ビジネスパーソンに特化した経営大学院」として常に考えていることがあります。それは、「ビジネスパーソンが2年間の学びを充実したものとするためには、現状の生活に生まれる追加的な負荷をできる限り抑えるべきだ。学びを強くサポートしていこう」ということです。「平日オンライン講義」の導入は、この考えに沿ったものです。少なくとも平日は、生活スタイルや働き方を無理に変えることなく、講義に出席できることが理想的です。

平日の授業のオンライン化のメリットとして、まず、時間や場所の制約から解放されることで、時間的な余裕が生まれること、学習が効率的にできることがあげられると思います。「平日オンライン講義」の導入は、18時30分からの講義に自宅や職場にいながら、すぐさま参加することを可能にします。これは、多くのビジネスパーソンの負荷を極力抑え、学びに集中できる時間をもたらします。精神的な余裕まで、もたらすかもしれません。たとえば、勤務先から学校への移動時間が40分であったとしましょう。その時間が2年間にわたってゼロになり、その時間が予習時間、自宅での食事づくり、同僚や家族との会話にあてられることを想像してみてください。「平日オンライン講義」の価値は小さくないことは明らかです。

 

2つめのメリットとして、これまで物理的な制約から大学院に通うことが難しかった方々に、学修機会を提供することができるようになることがあげられます。キャンパスから離れた場所に居住または勤務される方、育児などのライフイベントの中で、将来の自分のために学びを得たいと考えている方などにとって、豊かな学びの機会となることでしょう。

 

そして3番目のメリットとして、平日の学びを効率化し、多様な経験をもつ仲間を迎えることによって得られるCBS全体の学びの深まりがあげられます。「1.」で示したように、CBSの学びは学生たちの「豊富な実務経験」が土壌となり生み出されるところに特徴があります。時間や場所の制約が緩和されることで、さらにこの土壌が豊かになり、そこから生まれる気づきは一層エキサイティングなものになるはずです。

 

具体的には、平日のオンライン講義は、次のようなビジネスパーソンにメリットがあると考えています。

 

・夕方まで業務が残ることが多い方、出張が多い方

ビジネススクールでは、平日夜の講義に駆け込んで教室に入ってくる光景が、よくみられます。平日オンライン講義になれば、会社や勤務先の近くの場所から講義に参加できるため、この光景はなくなるかもしれません。学生は余裕をもって講義に参加することができます。国内・海外出張が多い方にも同じく有用でしょう。講義の欠席をなるべく少なくできることは大きなメリットです。

 

・東京都心から離れた郊外や遠隔地に勤務している方

都心のキャンパスで実施される夕方の対面講義に間に合うためには、都心の中心地に勤務先がなくてはなりません。そのため、横浜、八王子、大宮などの郊外に勤務地がある人たちは、都心のビジネススクールに通学することは簡単ではありませんでした。

 

CBSの平日オンライン化は、都心郊外にいながら講義に出席することを可能としますに。さらに言えば、キャンパスまで1時間以上かかる地域に勤務していても、土日に後楽園・駿河台キャンパスに通うことができれば、CBSへの通学が可能になるわけです。場合によっては、もう少し遠い地域、たとえば、船橋・千葉・柏、熊谷・高崎、小田原・静岡・掛川あたりからも通学できるかもしれません。

 

・在宅勤務が多い方

平日オンライン講義の導入は、郊外の自宅で在宅勤務をしている人たちにもメリットをもたらします。在宅勤務後に、わざわざ都心のキャンパスまで通学する必要はなくなるからです。在宅での業務から、スムーズに学びへと移行できます。家族との食事を終えた後に、オンライン講義に出席することも、日常的な様子になるかもしれません。

 

・育児中の方

平日のオンライン講義は、自宅で育児中のみなさんの学びも支援できると考えています。平日18時半から22時からの間に、週に1回程度だけ、育児をサポートしてもらえれば、自宅からオンライン講義に参加することは不可能ではないからです。

 

このように、平日オンライン講義の導入は、多様なライフスタイルやワークスタイルを持つビジネスパーソンにとって価値がある形式なのです。

 

(注)会社やご自宅などでオンライン講義を受講することが難しい方は、CBSのキャンパスでオンライン講義を受講することも可能です。

 



4.CBSの挑戦:新しい学びを創造するために

このようにみてくると、「平日オンライン+土日対面」という学びのスタイルは、単なる講義形式の変更以上の意味を持っていることがご理解いただけるでしょう。

 

都心の勤務地の人たちばかりでなく、郊外の企業で勤務する人たち、在宅勤務の人たち、郊外の工場に勤務しているエンジニアたち、海外出張が多いグローバルな活躍をする人たち、育児中の人たちなど、多様な人たちが参加する講義が実現できるのです。このことは、ディスカッションの質を高めることは間違いありません。また、週末の対面講義を集中させることは、ディスカッションの質をさらに向上させるはずです。

つまり、「平日オンライン+土日対面」の実施は、多様なビジネスパーソンが集う、新しく、さらに創造的な学びの場を生み出すための挑戦なのです。

このCBSの理想や想いが、多くのみなさんに賛同していただけることを願っています。そして、多様なバックグラウンドを持つビジネス・パーソンのみなさんにCBSコミュニティに参加してもらい、私たちと一緒に変化を創り出す「チェンジ・リーダー」を目指す仲間となってもらえることを、心から願っています。