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インセンティブマネジメントにおいて、KPMGコンサルティング株式会社プリンシパル 油布顕史氏による講演を実施

2026年06月02日

2026年5月22日(金)中央大学ビジネススクール(CBS)MBAプログラム発展科目「インセンティブマネジメント」(担当:島貫智行教授)において、KPMGコンサルティング株式会社プリンシパル 油布顕史氏をお招きし、講演を実施しました(本科目はオンライン科目のため、当日は対面とオンラインのハイブリッドで開催しました)。

●概要

AIの進展とともに、企業価値を高めるためにウェルビーイングをいかに扱うかについての関心が高まっています。この観点から、「AI時代の企業価値論―対話と意味創造から考えるウェルビーイング経営」をテーマに、KPMGコンサルティング株式会社プリンシパル 油布顕史氏に、企業価値の源泉を「正解」から「意味創造」に位置付けることの必要性や、対話による意味変容を促す組織づくりやリーダーシップの重視、ウェルビーイングを健康や幸福から「成長実感や他者との対話を通じた自己拡張感」として捉え直す重要性についてお話しいただきました。講演は受講者とのインタラクティブな対話形式で進められ、受講者にとっては講演内容を体験しながら自身の実践方法を考える貴重な機会となりました。

●受講生の感想(一部抜粋)

・AIの活用によって「正解がコモディティ化する」=正解の価値が下がるため、人間は価値創造(意味創造)を行っていく必要がある点を深く理解できました。対話による揺らぎから意味変容をもたらす環境づくりを担うリーダーの役割が重要であると再認識しました。

・「前提の揺らぎ」をつくり、解釈変化を通じて意味変容を導き、新しい価値を創造するには、対話しかなく、そのために心理的安全性やウェルビーイングが必要であることが理解できました。「組織能力(ケイパビリティ)」が重要になるという説明も、腹落ちしました。

・AI時代において、リーダーの役割は「正解を与えること」から、「多様な価値観を持つメンバー(ダイバーシティ)を集め、心理的安全性が担保された『意味を共創できる場』を創るプロデューサー」へと変化していることに強く共感しました。

・「考えたことがない部分を考えることが大事」という点が心に残りました。自分一人では考えたことがない部分にたどり着くのは難しいからこそ、対話する重要性を理解しました。意味を共創できる場づくりができるリーダーも、自身の行動変容を起こす内容でした。

・最も印象に残ったのは、「意味変容」のプロセスについての説明でした。対話が他者視点をもたらし、前提の揺らぎを経て解釈が変わり、やがて意味変容へと至るという流れは、シンプルですが、実際の組織でこれを起こすことの難しさを強く感じました。

・意味変容を起こすフェーズにおいて、2番目(違和感)から3番目(意味変化)に遷移させることが大きなポイントであり最も難しいと感じました。何のためにやるのか、目的説明をよりポジティブに伝えることや、メリットを伝えることを実践していこうと思います。

・「前提の揺らぎ」を意図的に起こし、メンバーの成長や組織の変革へと繋げていくためには、リーダー自身が持つ暗黙知を形式知へと変換し、理論やフレームワークに落とし込んで説明できるようになることが重要であると理解しました。

・「正解主義」や「評価不安」という言葉が、そのまま自分の職場にも当てはまると感じました。変革は行動ではなく意味から始まるという点は、現場にも通じる視点だと思います。小さな組織でも、意識的に対話の場をつくっていくことの大切さを改めて感じました。

・AIに代替されない価値を生み出すために必要なのは、「正解を出すこと」ではなく、私自身は「共感する力」と「思考する力」だと考えました。さらに、AI時代においては、場づくりの重要性がこれまで以上に高まっているとも感じました。

・環境変化が速い中では、企業が追究する意味や価値もまた、賞味期限が短くなっていると感じます。その変化に対応し、新たな価値を創造していく推進力となるのはリーダーシップであり、組織の中で多くの人がリーダーシップを育んでいくことが、長期的な企業の成長やウェルビーイングにつながると感じました。

・ウェルビーイングを単なる「安心」や「快適さ」として捉えるのではなく、「他者との対話による自己拡張感(自分が広がっていく感覚)」へと価値転換している点が、最も鋭いインサイトでした。

●CBSについてもっと知りたい方へ

「インセンティブマネジメント」は、人的資源管理論のうち評価や報酬、昇進、等級制度などを中心に学ぶ発展科目です。人事制度・施策の設計や運用について、企業の経営戦略の実現や持続的成長、従業員のエンゲージメントやパフォーマンスの向上という観点から、講義とケース討議を組み合わせて学びます。ゲスト講演では今日的なトピックを取り上げて、受講生の勤務先での実践や応用を考える機会を提供しています。

CBSのカリキュラムの全体像は、以下のリンクをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/mba/