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インセンティブマネジメントにおいて、株式会社電通コーポレートワン人事オフィスHRマネジメント室長 松井美樹氏による講演を実施

2026年05月19日

2026年5月8日(金)中央大学ビジネススクール(CBS)MBAプログラム発展科目「インセンティブマネジメント」(担当:島貫智行教授)において、株式会社電通コーポレートワン人事オフィスHRマネジメント室長 松井美樹氏をお招きし、講演を実施しました(本科目はオンライン科目のため、当日は対面とオンラインのハイブリッドで開催しました)。

●概要

人的資本経営において従業員の成長支援は重要な経営課題となっています。成長支援には教育訓練の充実だけでなく、インセンティブ設計や組織カルチャー醸成を含めた統合的な取り組みが不可欠です。この観点から、電通コーポレートワンの松井氏に、電通グループの労働環境改革から、データを活用した「人財の見える化プロジェクト」、人事ポリシーの策定、dentsu Leadership Attributesの定義、管理職を対象とした「マネジメント・フィードバック・サーベイ」の実施、フィードバックカルチャーの醸成などの取組みをお話しいただきました。質疑応答も活発に行われ、受講生にとって授業で学んだ理論や知識を応用し実践する方法を考える貴重な機会となりました。

●受講生の感想(一部抜粋)

・電通の事例では、労働環境改革、成長支援、リーダーシップ定義、フィードバック文化の構築までが一貫して設計されており、人事部門が経営戦略や組織変革そのものを担っている点が非常に興味深いものでした。特にパフォーマンス(業績)だけではなく、どのように行動したかまで含めて人財を議論していた点は、自社でも参考になる視点だと感じました。

・「働き方改革」を労働時間の短縮に留めず、研修や自己啓発の仕組み作りと連動させて、社員の自律的な成長を促すプロセスに感銘を受けました。あえて「研修」という言葉を使わずに「〇〇インプット」や「〇〇プログラム」といったネーミングにする工夫やファネル分析を用いた現状把握は、マーケティングの視点が活かされており、勉強になりました。

・印象的だったのは、「成長」を感覚論ではなく、データを用いて可視化していた点です。電通では、社員を「模索層」「自律層」「拡大層」に分類し、自律的成長意欲とパフォーマンスを掛け合わせて分析していましたが、人事領域でも定量的なマネジメントが重要になっていることを改めて感じました。

・リーダーシップ開発に向けたフィードバックカルチャーの構築について、興味深く拝見しました。人事部門がフィードバックコメントの誹謗中傷にあたる内容を確認し、あくまで対象者の成長に資する言葉を届けるという運用は、リーダーの心理的安全性と成長を真摯に考えた洗練された配慮だと感銘を受けました。

・人材育成は研修実施が目的化しやすいですが、社員の行動変容や成果につながって初めて意味があることを学びました。「INPUT!365」などを通じて、学びを習慣化しようとしていた点も印象的でした。変化の激しい時代においては、会社が社員を育てるだけではなく、社員が自律的に学び続ける文化をどう作るかが、企業競争力に直結するのだと感じました。

・人事部門の役割は単に制度を作ることではなく、会社や事業の状況に合わせて関わり方を変えていくことが大事だと感じました。一度作った仕組みをそのまま続けるのではなく、実際にやってみて検証し、改善を繰り返す姿勢も重要で、最終的には現場が自分たちで動ける状態を作ることが、人事部門に求められる役割だと感じました。

・インセンティブマネジメントとして制度を設計するだけでなく、会社が何に価値を置き、社員にどんな行動を選んでほしいかというメッセージとして捉えている点が印象に残りました。労働環境改革において、労働時間削減そのものをゴールとせず、仕事のやり方を変えることを目指したのはその典型だと感じました。

・各施策を、人事部門だけでなく、現場、マネジャー、トップマネジメントなど、関係者とともに実行されていた点に学びを得ました。特に現場の実態を捉え、声を聴きながら16の施策を作り、トップダウンとボトムアップが両立していたことは印象的でした。それにより現場の人たちも言われて実行するだけではなく、自分事として施策推進に動くことができたのではないかと感じました。

・電通コーポレートワンという会社が、本社部門を横串した会社や持株会社のようで、とてもユニークな組織形態だと思いました。また、250を超える施策を2017~18年に集中して実施し、思い切って投資をしたという話に、改革への本気度を感じました。

・組織改革を行うために実施された施策の数にも圧倒されましたが、1つ1つの施策に込められた明確な価値観と、そこに向かって進めていく力強さに見習うべきところを感じました。

 

●CBSについてもっと知りたい方へ

「インセンティブマネジメント」は、人的資源管理論のうち評価や報酬、昇進、等級制度などを中心に学ぶ発展科目です。人事制度・施策の設計や運用について、企業の経営戦略の実現や持続的成長、従業員のエンゲージメントやパフォーマンスの向上という観点から、講義とケース討議を組み合わせて学びます。ゲスト講演では今日的なトピックを取り上げて、受講生の勤務先での実践や応用を考える機会を提供しています。

CBSのカリキュラムの全体像は、以下のリンクをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/mba/