ビジネススクール
イノベーションの実践において、元テルモ代表取締役社長の新宅祐太郎氏による授業内講演を実施
2026年01月31日
2026年1月8日 (木)、中央大学ビジネススクール(CBS)MBAプログラム 専門科目「イノベーションの実践」(担当 生稲史彦教授)において、元テルモ代表取締役社長の新宅祐太郎氏を招聘し、講演を実施しました。
●概要
「テルモの成長戦略に関連して」というテーマで、テルモの成長に繋がった事例を取り上げ、イノベーションと競争戦略の関係に関し、お話を伺いました。企業がイノベーションを推進する際には、社内だけではなく社外の技術やリソースも活かし、買収などの手法も使って、戦略的な行動を採ることが重要であることを学びました。さらに、質疑応答を通じて、医療分野のイノベーションや日本企業に求められる戦略性について理解を深めました。多くの受講生がイノベーションを視野に入れた戦略的経営とはなにかを考える機会となりました。
●受講生の感想(一部抜粋)
・今日の講演を聞いて、イノベーションは単なる技術の話ではなく、お客さんへの理解や戦略、そして組織の雰囲気がうまく組み合わさって生まれるものだと感じました。
特に、もう古くなって価値がないと思われている商品の中にこそ「宝物」が眠っているというお話は、今の仕事を見直す上でとても大きなヒントになりました。
すごい発明をちゃんとビジネスにするには、特許などの戦略も大事ですが、何よりも「世の中に届けたい」という粘り強い想いが大切なのだと実感しました。
「あえて厳しい環境に身を置くこと」が変化のきっかけになるというお話は、昔の自分の苦労した経験とも重なり、深く共感することができました。
これからももっと現場のお客さんの声に耳を傾けて、失敗を怖がらずに新しいことにどんどんチャレンジしていきたいと考えています。
・正直なところ、現場の生々しい葛藤とMBA的な戦略論がこれほど密接にリンクするとは思っておらず、非常に充足感のある時間でした。特に、自前主義の限界を悟り、成長機会を米国市場に絞り込む決断プロセスなどは、教科書的な「資源ベース理論(RBV)」を超えた経営者の皮膚感覚が伝わってきました。単なる成功美談ではなく、高齢化という不可避なマクロ環境の変化を「幸せが来る」と表現されるあたりに、実務家としての凄みを感じましたね。理論が現実の血肉となる瞬間を目の当たりにした思いです。
・日本を代表するヘルスケア企業のリーダーだった方のお話をお聞きでき、現在のポジショニングを確立する経緯やその裏にあったストーリーを聞くことができ大変興味深かった。
・新宅様から、テルモ社の米国展開について臨場感あふれるお話を伺い、具体的な製品事例も交えてご説明いただいたことで、非常に分かりやすい講義でした。グループワークでは、限られた時間ではありましたが、各業界におけるボリュームゾーンや、イノベーションにつながる技術、資金回収の考え方について、メンバーと有意義な意見交換を行うことができました。
・テルモの事例をまさに実践してこられたイノベーションの視点や戦略がとても勉強になりました。
・一時は倒産の危機に直面していたテルモがどのような戦略をベースにして様々なイノベーションを起こしていったかを、実例を多く用いながらご説明いただき、非常に勉強になりました。
・成長をさせていく中で、自社でのイノベーション製品開発をしていると思っていましたが製品群によってはM&Aを組み合わせてイノベーションを起こしていることや投資タイミングのような視点を学べたこと
・ボリュームゾーンの中にあるダイヤという視点について、コモディティ化し、競合が撤退するような製品ガイドワイヤーなどであっても、顧客の声に耳を傾け、製品別の収益性を精緻に分析することで、実は高収益な製品であると再発見できるという点が実践的で勉強になりました 。
・講義では、ボリュームゾーンの中に存在する高収益のダイヤに着目し、それを製品グループではなく製品別レベルまで細分化して把握する重要性が示された点が特に印象的でした。
営業利益ベースで高収益を生む製品は、販管費がほとんどかからず、自動発注が成立し、設備投資の減価償却も完了しているなど、高収益構造の事例イメージが大変持ちやすかった。また、イノベーション投資の原資になっているというサスティナブルな競争戦略にであること、最先端技術への投資やM&Aを行い、事業ポートフォリオを戦略的に転換していくという考え方は、イノベーションを単発の技術開発ではなく、経営全体のストラクチャーの設計として捉える視点が整理できた。
・イノベーションを技術ではなく投資・回収まで含めた経営戦略として捉える視点が、私自身の経験とも重なり、非常に腹落ち感がありました。
・イノベーションの中でもボリュームゾーンでの対応による高収益、高付加価値といった目線の話をきくことができたから。
・テルモ社においてイノベーションを単なる技術開発としてではなく、企業全体の取り組みとして捉えている点が明確に伝わりました。実際の経験に基づいた話を通して、テルモのイノベーションの特徴が整理して理解できたため。
・医療業界のことは全く存じ上げてなかったので、当時の業界の状況やイノベーション事象など、非常に勉強になりました。
新宅様の講義は「医療機器メーカーとしてのドメイン変革」という大きなストーリーの中で、「アカデミックなイノベーション理論」と「現場の泥臭い人間ドラマ」が一本の線として繋がって語られて他業種でしたが、とても参考になりました。
・テルモにおいてイノベーションがどのような考え方のもとで進められているかという点。理念と実践が結びついている点が印象的だった。
・テルモが医療機器メーカーでありながら技術起点ではなく医療課題基点であることを元経営トップから聞けたことです。
・新宅様のご講演は要点がわかりやすく、イノベーションの具体的な実践例を交えてお話くださいました。今回はディスカッションの時間もあったため、多様な企業の商品やサービスについて知ることができました。総じて講演とディスカッションの割合が適度と感じ、満足度の高い回でした。ありがとうございました。
・テルモ社のイノベーションの背景を知るだけでなく、自身にとって身近な注射針の開発背景なども知ることができて大変興味深い内容でした。またグループワークもイノベーションを直接考える機会となりおもしろかったです。
・新宅先生、ご質問にお答えくださりありがとうございました。知らない業界でのイノベーションの実践は、とても学び深い授業でした。
●CBSについてもっと知りたい方へ
CBSで開講されている「イノベーションの実践」では、理論だけでは捉えきれないイノベーションに関する実践知(のピース)を獲得し、現実的な「勘どころ」をつかむことを目指しています。加えて、講義で得た情報や知見をきっかけにし、履修者自身がイノベーションへの関与を増すよう勇気づけることを狙って、イノベーションの実践者を招聘しています。理論と実践の架橋教育であるビジネススクールならではの、理論と実践を積極的に結びつける試みです。
CBSのカリキュラムの全体像は、以下のリンクをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/mba/
また、2025年度のシラバス(各科目の詳細)については、こちらをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/info/class/#mba_syllabus