ビジネススクール
経営戦略論において、株式会社奥村組代表取締役社長 奥村太加典氏による授業内講演を実施
2025年10月30日
2025年10月11日(土)、中央大学ビジネススクール(CBS)MBAプログラム必修科目「経営戦略論」(担当:遠山亮子教授)において、株式会社奥村組の代表取締役社長である奥村太加典氏をお招きし、講演を実施しました。
●概要
「2030年に向けた奥村組の経営戦略」と題した講演では、建設業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、2030年に向けての奥村組のビジョンと経営戦略について、変わらず大切にする経営理念、人財戦略、技術戦略、国際戦略、多角化戦略、DXによる業務改革など様々な側面から詳しくお話しいただきました。特に最終決裁者である社長の「ハンコの重み」の話は、経営者自身でなければ語れないことであり、受講者にとっては経営戦略という理論を学ぶだけでなく「戦略的に経営すること」の意味と重責を実感する貴重な機会となりました。また、B2B企業である奥村組が社会での認知度を高めるための広報戦略については、中央大学後楽園キャンパスも登場した奥村組のCMも上映されました。質疑応答も活発に行われ、チェンジ・リーダーを目指すCBSの学生にとっては多くの気づきを得る機会となりました。
●受講生の感想(一部抜粋)
・日ごろ馴染みのない業界の現状・課題・将来ビジョンとそれに向けた打ち手を知ることができた。異業界に対する解像度を上げる機会はなかなかなく、本で事例を読むのとは違った、生の声を聞ける貴重な経験になった。
・ハンコの重みの話は、どこまで行っても授業ではなかなか感じることができない話で、経営者ならではの話で勉強になりました。「堅実」と「誠実」の二つを重んじて経営されていることがお話の節々から垣間見え、企業経営における理念の重要性を改めて実感し、また併せて、建設業界と奥村組の現状と今後についてよく理解できました。
・実際の経営トップの視点から、自社の強みを活かした戦略の考え方を直接伺えた点が非常に貴重だった。特に、「堅実と誠実」という言葉で企業文化を語られた姿勢に、経営理念の体現者としての一貫性を感じた。また、我々受講生からの率直な質問にも丁寧に応じてくださり、現場経営者のリアルな意思決定や価値観を学ぶことができた。
・ビジネススクールへ入学し経営についての様々な勉強を開始して1カ月、知識のインプットは大量に行っていますが、得た知識が最前線の経営判断にどのように活かせるかはうまくイメージできずにいました。今回奥村組の奥村社長のお話を聞き、業界内でのポジショニング分析や中期経営計画の位置づけ、採用の競争環境分析などがこのように実際の経営判断に活用されているのだと知ることができました。
そして「ハンコを押す責任」というお言葉に関しては、自分の決定がもたらす結果を背負い込まなければいけないという社長の重責が垣間見えたように感じました。
・私たちは、成功や急成長を遂げるスタートアップ企業の戦略に目を奪われがちですが、すべての企業が拡大・成長路線を取れるわけではない現実の中で、安定成長の時代に築かれた戦略に触れ、まさに理論の実地応用の一例であると感じました。特に、奥村社長のM&Aに関するご発言には人間味が溢れていました。
過去、建設機械製造会社を傘下に持たれたご判断や、台湾進出における方向転換などが、時間を経て現在の果実につながっている点に、戦略の実効性を強く感じました。
●CBSについてもっと知りたい方へ
「経営戦略論」は、経営戦略の基礎理論と実践の方法論を学び、「戦略経営」を実践するチェンジ・リーダーとなるための基礎を作る必修基礎科目です。理論を学ぶだけでなく、戦略経営の実践を「生きたケース」から学ぶために、経営者・経営幹部による講義が全7回の講義中必ず1回は設けられています。
CBSのカリキュラムの全体像は、以下のリンクをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/mba/
今回の講義は、南甲倶楽部のご高配により実現しました。南甲倶楽部は中央大学出身の経済人による交流会であり、中央大学ビジネススクールは設立時より南甲倶楽部より多大なるご支援を頂いています。
南甲倶楽部の詳細は、以下のリンクをご覧ください。
https://nanko-club.jp/