ビジネススクール
人的資源管理論において、株式会社メルカリ執行役員CHRO宮川愛氏による講演を実施
2025年06月17日
2025年5月24日(土)、中央大学ビジネススクール(CBS)MBAプログラム基礎科目「人的資源管理論」(担当:島貫智行教授)において、株式会社メルカリ執行役員CHRO 宮川愛氏をお招きし、講演を実施しました。

●概要
今日の人材マネジメントにおいては、従業員一人ひとりが働きがいを感じながらパフォーマンスを最大限に発揮できる組織を実現することが求められています。こうした「働きがいのある会社の創り方」について、メルカリのCHRO(最高人事責任者)である宮川氏に、パーパス・ミッション・ビジョンの実現に向けて組織カルチャーを土台に、トップダウンとボトムアップの双方向のアプローチ、一人ひとりの役割と期待値の明確化、アジャイルな試行・検証サイクルの3つを柱としたフレームワークと具体的な取り組みをお話しいただきました。質疑応答も活発に行われ、受講生にとって授業で学んだ考え方を実際の企業事例に適用することで理解が深まるとともに、経営視点の人材マネジメントを考える貴重な機会となりました。
●受講生の感想(一部抜粋)
・ビジネスの成功が前提であり、人事はよくバックオフィスといわれるが、人事とは経営だと認識し、自分が経営者であるという視点で物事を見ていくというフレーズに感銘を受けました。
・企業の成長を支える人事戦略に深い感銘を受けました。特に、メルカリの行動指針である「Go Bold」「All for One」「Be a Pro」「Move Fast」を核とし、すべての従業員が「働きがい」を感じられるよう制度設計が徹底されている点に強く共感しました。
・HRとして、様々な政策を打ち立てて細部にわたるシステムの構築が素晴らしいと感じました。人的資本に関する対応、人材へのアプローチの対応が明確化しており、ダイバーシティの対策も手厚く対応され、まさにメガベンチャーのHRのあるべき姿とも感じました。
・I&Dがメルカリのミッション達成に不可欠な「基盤」として位置づけられている点が印象的でした。「結果の平等」ではなく「機会の平等」にフォーカスした基本方針は、単に数値目標としての比率を追うのではなく、採用や育成プロセスにおける目標を設定し、継続的にモニタリングすることで、真の機会均等を実現しようとするアプローチだと思いました。
・メルカリが成長フェーズに応じて人事制度や人材の捉え方を変化させている点に興味を持ちました。個人の自由を大切にしつつ、それを文化や制度で支えるという考え方は、新しい「人を見る視点」だと感じました。
・単に制度面が整っているだけでなく、採用段階からミッションへの共感を重視しているというお話が印象的でした。個人の価値観と企業の目指す方向が一致しているからこそ、社員一人ひとりが裁量や成長実感を持って働けているのだろうと思いました。
・個の強みを最大限に活かすことは、弱点を克服することにフォーカスするよりも成功の可能性が高まると感じました。現在より未来へ視点を向ける外資系グローバル企業における人材育成や管理方法が、大胆で革新的な発想を生み出す土壌になっていくと感じました。
・働きがいとは単なる感情的満足ではなく、パーパスへの共鳴や裁量、成長機会の実感によって生まれる「意味」の総体であると理解しました。
・「Outside-In」の視点の重要性は、従来の日本型雇用慣行の課題を浮き彫りにすると同時に、変化の激しいAI時代において自律性と創造性がいかに重要かを再認識させてくださいました。
・人的資源管理を学ぶうえで理論と実践を結びつける貴重な機会であり、「働きがいとは何か」「企業は何のために人を育てるのか」といった根本的な問いに向き合う契機となりました。
●CBSについてもっと知りたい方へ
「人的資源管理論」は、企業経営における人材の確保と活用を学ぶ基礎科目です。経営戦略と人材戦略を連動させる戦略人事の考え方を基本として、採用や育成、異動・配置、評価、報酬管理、労働時間管理、DE&I、多様な就業形態などの主要テーマについて、講義と事例分析、ケース討議を組み合わせて学びます。ゲスト講演では今日的なトピックを取り上げて、受講生の勤務先での実践や応用について考える機会を提供しています。
CBSのカリキュラムの全体像は、以下のリンクをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/mba/