ビジネススクール

人的資源管理論において、エーザイ株式会社ピープル&コミュニケーション戦略部長 三瓶悠希氏による講演を実施

2025年05月27日

2025年5月10日(土)、中央大学ビジネススクール(CBS)MBAプログラム基礎科目「人的資源管理論」(担当:島貫智行教授)において、エーザイ株式会社ピープル&コミュニケーション戦略部長 三瓶悠希氏をお招きし、講演を実施しました。

●概要

エーザイは、「人的資本リーダーズ 2024」や「健康経営銘柄2025」に選出されるなど、人的資本経営の先進企業として知られています。123頁に及ぶ「Human Capital Report(人的資本レポート)」が注目されていますが、レポートの企画から刊行、社内外の展開までの中心的な役割を担った三瓶氏をお招きし、同社の人的資本経営の考え方や統合人事戦略の策定、レポートの2023年度版の初刊行から2024年度版の改良、2025年度版に向けた発展についてお話しいただきました。質疑応答も活発に行われ、受講生にとって授業で学んだ考え方を実際の企業事例に適用することで理解が深まるとともに、勤務先での人的資本経営について考える貴重な機会となりました。

●受講生の感想(一部抜粋)

・人事戦略は個人(エナジー)から始まって組織(シナジー)、戦略となっており、素晴らしいと思いました。課題が沢山ある中、いくつかピックアップして、それに全力を注いでいること、すぐ解決できることはすぐやること、改めて大変勉強になりました。

・人事組織がこれだけ「発信」に力を入れているという点に率直に驚いた。人事部門は戦略を担う一部門であるという認識を持ち、人事戦略と経営戦略の連動を行い、挑戦的な取り組みと改善を繰り返していくことが重要だと学んだ。

・いいことも悪いこともすべてさらけ出す。課題から語る。あえて悪いことを出す。ありのままを知ってもらうことが会社への信頼感につながり、その反応により経営の改善に生かすことができる。その大切さに気づかされました。自社の経営にも活用したいです。

・エーザイ様の人的資本経営の取り組みを生の声で受講でき、とても貴重な時間となりました。トップダウン、ボトムアップの流れをうまく取り入れて、取り組みを始めたところが素晴らしいと感じました。サーベイのやり方も参考となりました。

・人事部の伝わる努力として社員参加型のレポートを作成し、レポートという形以外でもコミュニケーションを活性化する仕掛けを設定している点は、現場のような人事でない部署でも真似できそうなので考えてみようと思います。

・従業員の共感や納得感を生む開示や人事の発信によって、従業員のエンゲージメントにつながるというのは、私にとって新しい視点でした。内部に対してポジティブな影響を与える戦略的なコミュニケーションが実践できている証なんだろうなと思いました。

・自社でも取り組めそうな内容もあり、早速人事部門の同僚と話をしてみたいと思います。エンゲージメントサーベイを毎月やることで、会社の変化に気づき素早く対応するのは、自社では非管理部門との連携でより効果が出せそうだと思いました。

・社員のありのままの姿や評価が低い指標を「伸びしろ」として掲載するなど、外部の私でも非常に興味を持ってレポートを読むことができました。導入秘話や苦労された点もお聞きすることが出来たのは、大変参考になりました。

・ネガティブ情報の開示は、センシティブでありながらも、社員のエンゲージメントや企業の透明性を高めるための有効な施策となり得るため、勇気ある取り組みだと思いました。このような先進的なレポートが、他社にも広く浸透することを願っています。
 

●CBSについてもっと知りたい方へ

「人的資源管理論」は、企業経営における人材の確保と活用を学ぶ基礎科目です。経営戦略と人材戦略を連動させる戦略人事の考え方を基本として、採用や育成、異動・配置、評価、報酬管理、労働時間管理、DE&I、多様な就業形態などの主要テーマについて、講義と事例分析、ケース討議を組み合わせて学びます。ゲスト講演では今日的なトピックを取り上げて、受講生の勤務先での実践や応用について考える機会を提供しています。

CBSのカリキュラムの全体像は、以下のリンクをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/mba/