ビジネススクール

知識創造戦略論において、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン 飯沼一丈氏による講演を 実施

2024年12月24日

2024年12月7日(土)、中央大学ビジネススクール(CBS)MBAプログラム発展科目「知識創造戦略論」(担当:遠山亮子教授)において、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン取締役執行役員 リクルート本部長の飯沼一丈氏をお招きし、講演を実施しました。

●概要

今回のご講演では、セブン‐イレブンの強さを商品力、街づくり戦略、単品管理、コミュニケーションの観点から語っていただきました。少子高齢化など変わり続ける環境の中で、加盟店オーナーを始め店舗で働くすべての従業員と本部がともにどのように知識創造を行い、持続的に成長していくかについて、ユーモアと熱情を込めてお話しいただきました。また、今や欠くことのできない社会インフラとなったセブン‐イレブン・ジャパンが、次の50年に向けて社会に何を提供してくのか、どのようにサスティナブルな経営を行っていくのかについてもお話しいただきました。参加した受講生との質疑応答も活発に行われ、受講生にとっては多くの気づきを得るとともに、自組織においてどのようにすべての組織メンバーを巻き込んで「楽しく」働き、価値創造を行っていくかを深く考える機会となりました。

●受講生の感想

・セブン‐イレブン・ジャパンの成長の生々しい背景を伺えた貴重な機会でした。そこには、講義で学んだ知識創造があることを確認でき、理論と実践を結びつけることができました。最も重要な経営資源である知識獲得の過程をリアルに感じることができ、非常に刺激的でした。

・成長を支える4つのコアコンピタンス(商品力、街づくり戦略、単品管理、コミュニケーション)や、レイヤーごとの会議体、研修によるSECIモデルの高速回転等、全ての取組みが「お客様のためにではなく、お客様の立場で考える」につながっており、全社に浸透・共有されていることは大変参考になりました。

・セブン‐イレブン・ジャパンの歴史から様々な取り組みに触れることができ大変興味深く聞くことができた。変化への対応と挑戦の歴史ということが実例に基づいて丁寧に説明していただき、内容も圧巻であった。単品管理、物流の効率化などの施策ももちろん素晴らしいがやはり、人を中心に事業を展開している。成功事例を中心に体系的な会議を通じて共同化、表出化することからスタートしてSECIモデルを効果的に回転させている点は自社にはない環境であり参考となった。大満足の授業であった。

・施策の一つ一つは模倣ができる取り組みだと感じましたが、全てを連動させて組織として模倣は難しい。組織文化や高付加価値の人材が揃わなければ実現が困難である。長期で競争優位性が維持される。SECIのアップスパイラルを繰り返すと圧倒的に勝てると理解しました。

・トップ自らが熱量を持って現地・現物・現実の3現主義を徹底して重視し事業を運営していると感じた。当初自身のイメージでは、POSや自動発注などシステマチックな要素を強みとして拡大した印象を持っていたが、それとは反対に非常に泥臭く、人間味のある事業運営が、従業員やFC店舗のオーナーを惹きつけ、共通の目標に向かい進んでいるのだと感じた。その中で組織的知識創造モデルのSECIが様々な場所で回っており、業界トップの強みを発揮し続けられているのだと思う。

・飯沼様のエネルギッシュなお話しぶりから、日頃からよく利用するセブン‐イレブンが会社に風土としてしみ込んだ挑戦マインドによって出来上がっていることが伝わってきて、日々の生活を支えてもらっていることへの感謝の気持ちがわきました。フランチャイズオーナーや従業員を巻き込んでブランドを育て維持し発展させていくことは並大抵のことではないとお話を聞きながら感じていました。放っておけば遠心力が働き、現場からブランド価値が棄損してしまうことにもなりかねない中、OFCやマネジャーなどを起点に事例共有の場を大切にし、戦略的に維持されているのだと思いました。

・自分の仕事を棚卸しした時、何も出てこないということはその人は仕事をしていないということです、という言葉がとても心に刺さりました。「何も出てこない」の中には、自分が行っている・手に入れた価値に気がつけていないという状況も含まれると思いますので、自分だけでなく周囲の人に対しても自分の成果の認識・分析ができるような手助けをしていきたいです。
 

●CBSについてもっと知りたい方へ

「知識創造戦略論」は、企業経営を現在「もっとも重要な経営資源」と考えられている「知識」という視点からとらえ、知識とは何か、その獲得、創造、蓄積、活用にはどのような組織と戦略とリーダーシップが必要かを学ぶ科目です。講義においては知識創造経営を行っている企業としてセブンイレブン・ジャパンのケースを取り上げており、飯沼氏の講演はケースについてさらに深く学び、知識創造経営の実践について考える機会として受講生に提供されています。

CBSのカリキュラムの全体像は、以下のリンクをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/mba/

今回の講義は、南甲倶楽部のご高配により実現しました。南甲倶楽部は中央大学出身の経済人による交流会であり、中央大学ビジネススクールは設立時より南甲倶楽部より多大なるご支援を頂いています。

南甲倶楽部の詳細は、以下のリンクをご覧ください。
https://nanko-club.jp/