ビジネススクール

マーケティング戦略論において株式会社ヤッホーブルーイング 稲垣聡氏による講演を実施

2022年06月06日

●概要
2022年5月7日(土)、中央大学ビジネススクール(CBS)MBAプログラム 必修科目「マーケティング戦略論」(担当 松下光司教授)において、株式会社ヤッホーブルーイング 稲垣 聡氏をお招きし、講演を実施しました。なお、稲垣氏は、CBSの修了生でもあります(8期、2017年3月修了)。

講演のなかでは、ビール業界を取り巻く環境について説明がされた後、ヤッホーブルーイングのマーケティング戦略が、とりわけ、ECサイトを通じたチャネル政策、ブランド戦略を中心として紹介されました。続いて、参加者から、関連する質問が次々と出されました。ファン・マーケティング、製品開発プロセス、最新ブランドの導入背景、加えて、組織の体制や全社戦略の特徴など、多岐にわたって議論がされました。

●受講生の感想
ヤッホーのブランド戦略についての話が印象的でした。規模の小さい会社であれば、マスターブランドのほうがリソース的にはいいのかもしれないが、あえてマルチブランドを選択してクラフトビールカテゴリとしての成長を結果的に達成している。カテゴリーとしてのライフサイクルもマーケティング戦略に影響する例なのかなと思いました。製品コンセプトの考え方、マーケットインとプロダクトアウトそれぞれのやり方が共存しているのが興味深かったです。ありがとうございました。

ヤッホーブランドがなぜ人を熱狂させるのか。稲垣さんとのセッションを通じて、そこに「緻密で丁寧なマーケティング」と「大胆でユニークなクリエイティビティ」の底ヂカラを垣間見ることが出来た。また、発売以来約25年の歴史をもつよなよなエールが顧客ファーストで、顧客とつながり続けるマーケティングだからこそ、ブランドが顧客とともに進化し続け、鮮度アップしているのだと強く考えさせられた。

稲垣様、本日は貴重なお話ありがとうございます。実際本などには記載がない、裏話を聞けて大変勉強になりました。今回ケースを勉強させていただき、自社のECサイトを続けていき、ダイレクトマーケティングを増やしていくことと思っていました。お話していただいた、流通の課題、税金のコストなど課題など理解していなく、表面的でなく仕組み含めた深い理解が必要と気づきました。また銀河高原ビールの位置づけなども、この様な手法があると勉強になりました。今後とも御社の驚きのマーケティングを期待しています。ありがとうございました。

ケースでは、マーケティングのSTP、4P、製品ライフサイクルの理論と実践について実務ベースで理解するプロセスを体験できたので、非常に良い機会となった。稲垣さんによるライブの説明では、ヤッホーブルーイングがマイケル・ポーターの競争戦略理論を非常に重視し実践に活かしているという点が少し驚きであった。理論は必ずしも実践に役立たないと言われている中で、当該企業も独自の戦略を実行していると当初は思っていたが、今回のケースを通じて理論が実務でも十分に活かされることを具体的に知ることができて有益であった。企業カルチャーや人材採用についても、当社の重要な基盤として大きな情熱や資源を投入して取り組んでいることもよく理解できた。マーケティング戦略のケースであったが、ケースを通じて全社戦略の策定プロセスにまで思いを巡らせることのできた非常に良いケースとゲストスピーカーによる講義だったと思う。
 

●CBSについてもっと知りたい方へ
マーケティング戦略論は、CBSの必修科目の一つです。実際の企業事例を用いたディスカッションの形式によって、マーケティングの基礎事項が学べるように設計されています。

CBSのカリキュラムの全体像は、以下のリンクをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/mba/