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『モンゴルにおける総合商社ビジネス』のテーマで、住友商事(株) 前ウランバートル事務所所長の藤原弘人氏が授業内で講演

2019年11月02日

【講義紹介】ゲスト講演

『モンゴルにおける総合商社ビジネス』
藤原 弘人氏 住友商事(株) 住友商事・前ウランバートル事務所所長
1985年に(株)住友商事に入社、そのご縁からイスタンブール勤務を経て2000年からウランバートルに赴任し、通信事業部に属する。その後も一貫してウランバートル事務所にて建設事業部にかかわり、2012年には、モンゴル国友好勲章を受章する。現在は、国内において、社内スタートアップ制度案件の専任となっている。

 

 

講義名モンゴルにおける総合商社ビジネス

 

中央大学ビジネススクール(CBS)の専門コア科目「ビジネスエコノミクス」(担当:丹沢安治教授)では、10月19日(土)の授業において、藤原弘人氏 (住友商事・前ウランバートル事務所所長)をゲストとしてお招きし、新興国において、様々な企業ネットワークを形成し、新たな市場の創出に自社の活動領域を求めている総合商社のビジネスについて、特に「市場を創る」ための非市場戦略という視点から報告していただきました。
講演ではモンゴルの社会経済の紹介から始まり、、最終的にはIoTを用いた新規事業などの立ち上げにかかわるお話に及び、受講生の関心を呼びました。

 

・受講生の感想 

モンゴルは今までプライベートでもビジネスでも訪問したことはありませんが、お話をお聞きして一度訪れたいと思うようなお話でした。また民主主義になったとはいえ、環境や風習などが日本と違う中で、どのようにビジネスを構築したのか、他国でのビジネス展開を考える上で非常に勉強になりました。特に下記3点は自分の現在の業務にも通ずるもので、印象に残りました。


歴史を知る
モンゴルは「遊牧民」が原点ということは知っていましたが、それが現在のモンゴル人の考え方や生活に根付いていることを理解するには、しっかりと歴史を知らなければならないことを教えていただきました。「明日の脂より今日の肺」という言葉は日本人の考え方と違うがゆえに、それを理解した上でお付き合いしなければ海外でのビジネスは到底できないことを認識しました。当社でも中国(北京・成都)に進出していますが、現地赴任者はともかく、日本の従業員でどれだけ中国のことがわかっているのかを自分も含めて知る人はそれほどいないため、あらためて勉強しなければならないと強く感じました。また海外だけでなく、日本の各地でも同じだと思います。出店についてはその土地のことを知らなくてはビジネスができないと強く認識しました。

現地進出企業へのヒアリング
進出する前に、調査もさることながら、現地進出企業へのヒアリングをしたほうがよい、というアドバイスは、モンゴルだけではなく各国共通なのではないかと感じました。そのためには藤原様のような現地の幅広い人脈を持った方は欠かせず、多くの日本企業が頼られたのではないかと想像しました。またモンゴルで表彰され、日本とモンゴルの橋渡しになるほどの人脈を築いた藤原様の努力も相当なものではなかったかと思います。特にモンゴルでは「信用できる」かどうかは見た目や資格では判断できないとお話しにありましたが、モンゴルだけでなく、海外での市場を開拓する上でのポイントになるのではないかと感じました。

新市場への挑戦
住友商事の強味を活かした「畜産業のIOT活用」は、新しい市場を築く上でのヒントになりました。口蹄疫発生の抑止になるということも、モンゴルの課題解決に向けた新事業への藤原様の熱い想いが伝わり、年齢を重ねても新しい事業へチャレンジしていく姿勢は、同じく新規事業を任されている自分にとって非常に勉強になりました。

(受講生Uさん)