商学部

商学部長挨拶

井上 義朗 中央大学商学部長

 中央大学商学部は、1909年(明治42年)に設置された歴史と伝統のある学部です。以来、実業界をはじめ、学界、政・官界、文化・芸能界、スポーツ界など様々な分野に、それぞれリーダーとなるような優秀な人材を輩出してきました。なかでも公認会計士試験合格者数ではつねに上位を占める実績をあげています。商学部はこれからも、社会の礎となる優秀な職業人の育成になお一層の努力を傾注してまいります。
 中央大学商学部は、「企業」を中心に、多くの事柄について学ぶことができる学部です。企業について様々な角度から学び、新たな時代の新たな企業のあり方について、日々研究を続けています。一口に企業といっても様々な側面があります。たとえば、企業は厳しい経済情勢のなかでどのような競争戦略を立てていくべきか。あるいは、企業で働く人々が、自らの仕事に生きがいと誇りを持てるようにするにはどのような組織が必要か。これらはみな「経営」の問題になります。また、企業はどのように資金調達をしたらよいか。企業を支える金融の仕組みはどうあるべきか。これらは「金融」の問題になります。さらに、企業の製品と消費者のニーズを適切に結びつけるにはどうしたらよいか。これは「マーケティング」の問題です。そして、企業の成果を投資家や社会に向けて正しく報告するには、どのような方法が必要になるか。これを考えるのが「会計」です。こうした基本的なテーマに偏りなく取り組む企業こそが、社会的な信用を得て大きく成長していく企業になるのです。
 中央大学商学部には、これらの基本的なテーマに即して、それぞれ経営学科、会計学科、国際マーケティング学科、金融学科の4つの学科を設置しています。同時に学科間の垣根をできるだけ低くし、経営学科の学生が金融を学び、会計学科の学生がマーケティングを学ぶこともできるようにカリキュラムを工夫しています。
 企業のことを深く知るためには、企業を取り巻く経済社会のあり方、自然環境との共生、様々な国や地域の文化や歴史についても、深く知ることが必要です。商学部は、専門分野と並び立つ研究教育分野として、経済・法律、リベラルアーツ、多様な外国語教育に力を入れています。こうした全人的な教養を身につけることが、これからの時代を生きる人びとにとって、何より求められる素養になると考えるからです。
 中央大学商学部は、これまでの知見と経験をさらに発展させるため、2022年度から商業・貿易学科を「国際マーケティング学科」に名称を変更しました。また、学生が地域の課題解決に取り組むソーシャル・ビジネスの授業や、サッカーのクラブ経営に取り組むスポーツ・ビジネスの授業などもあり、その活動は多くのメディアで取り上げられています。さらには、留学や資格試験受験をはじめ様々な活動を支援すべく、商学部独自の多様な奨学金制度を設けています。
 この他にも、商学部は新なた取り組みに向って日々努力してまいります。どうぞみなさんもごいっしょに、果てしない未来へと羽ばたきましょう!

中央大学商学部長
井上義朗