学部・大学院・専門職大学院

木立 真直ゼミ 見学調査報告書

タイトル :拡大する業務用冷凍食品市場とニチレイフーズの戦略
調査日  :2018年4月9日(月)
参加学生数:3年生19名、院生1名
調査先  :株式会社ニチレイフーズ(東京都中央区)

ご対応者 :株式会社ニチレイフーズ
      業務用事業部 福本雅志様 橋山暢祐様 小田切隆様 横地英二様

調査の趣旨:

 日本の食品市場において、近年、消費者ニーズの変化と品質の向上により冷凍食品の消費が拡大している。冷凍食品メーカー上位2社に位置するニチレイフーズから、なかでも成長基調にあり最も大きな売上構成比を占めるにいたっている業務用商品のマーケティングについて学び、これからの冷凍食品市場のさらなる発展とその課題について考える。

調査結果:

 業務用事業部の福本様、橋山様、小田切様、横地様からニチレイフーズのマーケティング戦略に関し、次の点についてお話を伺った。①冷凍食品マーケットの動向とニチレイフーズの位置、②家庭用冷凍食品と業務用冷凍食品の違い、③業務用事業部における商品部ならびに営業部の機能、の3つのプレゼンテーションをしていただき、その後、実際の商品を試食させていただき、その上で質疑応答にご対応いただいた。

 1つめのお話で最も印象深かったのは、冷凍食品のマーケットが2010年から増加しており、約1兆円規模の市場で推移しているという点である。冷凍食品国内生産量は2016年時点で約155万トン、そのうち家庭用冷凍食品が約63万トン(40.6%)、業務用冷凍食品が約92万トン(59.4%)を占めるにいたっており、そうした中で、ニチレイフーズは業務用部門に強みを持ち、業務用冷凍食品で国内トップシェアを誇っている。

 2つめのお話から、家庭用冷凍食品はSMやGMSを中心に販売され、業務用冷凍食品はレストランや給食、居酒屋、ホテル等で取り扱われていることが分かった。ニチレイフーズは家庭用に加え業務用の幅広いカテゴリーの製品を提供することでリーディングカンパニーとしての重要な役目を担っている。また、“地図に残る仕事”ならぬ“メニューに残る仕事”という言葉から、裏方になりきるという業務用冷凍食品を製造供給するメーカーとしての事業理念が伝わってきた。

 3つめのお話では、全社のミッションと部署の役割・目標についてお教えいただいた。全社では、「くらしを見つめ、人々に心の満足を提供すること」をミッションに掲げ、商品部では「簡便さやおいしさを追求しながら、原価を管理すること」、営業部では「人+モノ+金+情報という従来の経営資源に加え、働き方改革等の労働時間にも配慮していること」をそれぞれ目指している。自社を様々なステークホルダーにとって、より良い組織にしていこうという全社および各部署の熱い想いを感じた。

 試食の時間には、ホテルで振舞われているスープやパリっとおいしい春巻き、パラパラ食感で香ばしさが特徴の本格炒め炒飯などを試食し、ニチレイフーズの高い技術力・商品力を実感した。

 学生からの質問にも丁寧に対応してくださり、今後の展望として高齢化社会に向けた新市場・食シーンの提案等を考えていることなどをお教えいただいた。そして、最後に拝見した同社の感動ムービーからも、ニチレイフーズが掲げる企業コンセプト・ミッション・ビジョンの全てを感じることができ、感銘を受けた。はじめての企業訪問で、このような素晴らしいお話を伺うことができ、大変貴重な経験となった。

(文責:荒井雄大、岡本花奈、菊地柚香)