商学部2018年度木立ゼミ GFS企業訪問報告書⑥

テーマ  :海外事業のマーケティング、流通、現状、課題について
ゼミ名  :木立真直ゼミ
調査先  :オーストラリア株式会社大創産業 DAISO industries (Australia) Pty. Ltd.
調査日時 :2018年9月17日(日)13時00分~14時00分
対応者  :General Manager, General Management 大隅 剛志様
      Retail Buyer 石橋 なおこ様
参加学生数:中央大学木立ゼミナール3年生16名、大学院生1名 計17名

調査の趣旨(目的)

日本とは異なる環境であるオーストラリアでも高い人気を誇っているDAISOの理由を探る。また、国際化に成功した日系小売業であるダイソーのお話をいただくことで、世界共通化戦略や現地適応化戦略の理解を深める。

調査結果

 今回の訪問では、はじめにDAISOの歴史やオーストラリアの経営業態などのお話を大隅様からいただいた。その後、2班にわかれ、大隅様の班はバックヤードでオーストラリアにおけるダイソーの物流についてや店舗についての詳しい説明、石橋様の班はQV メルボルン店を見学しながらオーストラリアの商品についての説明、バイヤーとしての需要予測に基づいた発注や在庫管理について、どちらも質疑応答の時間を設けていただきながらお話していただいた。
 大隅様からは、震災という経験を経て「生活インフラとしての新しい価値を創る」という理念が生まれたこと、また、来店した顧客が‟そんなものがあるのか”‟これが100円で買えるのか”とわくわくするような商品展開や開発を目指す「Find Surprising and Fun」という考え方についてのお話を伺った。消費者にとって本当に役立つ、価値ある商品を低価格で提供したいというDAISOのこだわりを感じ取ることができた。しかしながら、オーストラリアの人々の間では日本のかわいいものが売っているお店というイメージが強く、現地ではまだまだダイソーは生活インフラだというイメージが定着していないと仰っていた。日本で有名な日系小売企業であっても海外に進出しブランディングする際にイメージの違いが生じるような苦労があるということを感じた。アジア人への定着は深いが、欧州系やその他の移民の人々へのアプローチが浅く、これからマーケットとして伸びしろがあると感じた。
 また、陳列の工夫としてデータを利用して商品の並べ方を考えるとのお話を伺った。商品棚の高いところと低いところで売れ行きは大きく変わり、自分で工夫を凝らした棚で商品が売れていくのを見ることが小売をしている側としての楽しみであるとのことだった。働く楽しさということを直に感じることが出来た。
 石橋様のお話では、発注をかけてから納品までに3か月というリードタイムがあるため、売れ行きを予測して発注しなければならないとのことだった。その中で売れると思った商品は多く発注し、判断しづらい商品は過去の売上分析を行い、在庫滞留を防ぐなど工夫を凝らしている。しかし、現地の顧客ニーズがまだまだ不透明であるため、顧客分析が今後の課題であると仰っていた。
 店舗の中を見学した際に英語表記で商品の説明書きや、一部ではあるが商品自体が英語表記に変わっているのを拝見した。もともとはすべて日本向けの商品を販売しているため、日本語表記で販売しているが、売れ行きのよいものに関しては、バイヤーである石橋様が日本の本社に働きかけて英語表記の商品も生産してもらえるように交渉しているとのお話を伺った。交渉しただけで生産してもらえるわけではなく、きちんと現状を説明して本社に認められなければならず、売れると期待できる数字と現地からの働きかけが重要であると仰っていた。
 また、食品やクッションなど一部商品についてはオーストラリア限定のものを販売していることについてもお話を伺った。理由として、オーストラリアは食品についての規制がかなり厳しいために現地のメーカーに委託して仕入れているためであるとのことだったが、こうした現状を知ることができたのは海外の現地の店舗を訪問させていただいたからであり、とても貴重な経験となった。石橋様からのお話を通じて、現在の業務だけでなく課題解決に向けて努力するバイヤーの難しさや苦労を感じた。
 今回の訪問ではお話を伺うだけでなく、店舗見学をすることで、店舗を大事にされているDAISOの考えや国際化戦略についてより深く理解することができた。海外でご活躍されているお二人であるからこそのお話をいただける貴重な訪問であった。また、力強く情熱を持って働く姿を拝見することで、私たちゼミ生にとって大変大きな刺激になった。海外で働きたいと考えるゼミ生も多いが、自分たちが働いていくことについて考える大変貴重なきっかけになった。
 最後に、今回このような訪問の機会を設けていただいた大隅様、石橋様およびDAISOのスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

(文責:山口柊平、赤野雅章、岡本花奈、杉本優佳、陳嘉瑾)