商学部2018年度木立ゼミ GFS企業訪問報告書⑤

テーマ  :日本での無印良品とオーストラリアにおけるMUJIとの比較、企業ブランドへのこだわりについて
ゼミ名  :木立真直ゼミ
調査先  :無印良品オーストラリア エンポリアム店と本部
      MUJI RETAIL(AUSTRALIA)PTY LTD Emporium店と本部
調査日時 :2018年9月15日(土)13時30分~16時30分
対応者  :Managing Director 藤本 健様
      General Manager-Operation Division 西島 裕歩様
      Director Jack Koo様
参加学生数:中央大学木立ゼミナール3年生16名、大学院生1名 計17名

調査の趣旨(目的)

「良品」ビジョンを中心とした企業理念のもと、素材の選択、工程の点検、包装の簡略化という商品開発の原則など、「無印良品・MUJI」というブランドに対する徹底した強いこだわりに注目する。また実際の店舗を見学させていただくことで、販売している商品や売り場構成などを比較し、日本との違いについて考察する。

調査結果

 はじめに、Emporium Melbourneというショッピングセンターの中にある店舗を見学させていただいた。実際の店舗の様子から感じたのは、ひとつひとつの棚の最上部まで商品が陳列されており、遠くからでもどこに、なにがあるのか見えやすくなるような細やかな配慮がなされていたという点である。日本の店舗との違いについては、まず食品を販売していないことが挙げられる。その理由は、オーストラリア政府の食品輸入に関する規制が厳しいため、日本から食品を輸入して取り扱うことが難しいからである。商品別の売上比率も日本とオーストラリアでは異なるため、現地のニーズに合わせて売り場を構成している。現地で売れている代表的な商品は化粧品と文房具である。なかでも店舗全体の売上に占める文房具の売上は日本の店舗の平均と比較して、Emporium店では約2倍以上になっている。これは学生を中心とした若者の消費者が多いことなどがその理由として挙げられる。また、Emporium Melbourne内の他の競合店との差別化を図るために、オーガニックコットンなどの素材を活かした商品の販売に力を入れている。海外に進出するうえで、やはり自社の強みを生かした差別化を行っていくことは大切であると感じた。
 店舗の様子を見学させていただいた後に本部のオフィスにお伺いし、西島様から株式会社良品計画の会社概要や企業理念、製造小売業のみにとどまらない幅広い事業展開などについてプレゼンテーションをしていただいた。無印良品では「これがいいより、これでいい」といったコンセプトに代表されるように、全世界で統一されたブランドイメージが確立されている。そのブランドイメージは商品開発においても厳しく照らし合わせている。無印良品のものづくりの基本となる「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」という三つの視点は、企業理念を遵守し、実質本位の商品を作っていくうえで非常に大切であるというお話が印象に残っている。
 現地スタッフの育成については、世界共通のサービスを行うためMUJIGRAMという店舗での作業マニュアルを作成し指導している。また店頭における販売技術向上への取り組みとして日本でも行っているIA(インテリアアドバイザー)、SA(スタイリングアドバイザー)、TA(テイスティングアドバイザー)という専門販売員の育成にも力を入れているという。しかし日本のサービス水準が高いため、オーストラリアなどのサービスに対する需要の低い国の文化に適応することが難しい点や、日本語独特のニュアンスを英訳することが困難である点などが今後の課題として挙げられていた。
 最後の質疑応答では、私たち全員の質問にひとつひとつ丁寧に答えていただいた。その中でも、「競合する企業はどこでしょうか」という学生の質問に対する、藤本様の「MUJIにブランドとしての競合はいない」というご回答が特に印象に残っている。衣食住すべての分野に商品を展開し、幅広い商品を取り揃えているからこその強みを生かしていきたいとのことだった。また、取り扱っている商品をそれぞれの分野別で見た際に、競合と考えられる商品やそれを販売する企業に関しては、MUJIのブランドイメージを強化し、それに共感を持つ消費者を獲得していくことが競合への対策になるのではないかと仰っていた。
 ご対応していただいた方々のお話から、企業の理念に基づいた様々な考えや、ひとつひとつの仕事に対する誇りや情熱、「MUJI」というブランドへの強いこだわりを感じることができた。このような真摯な姿勢を貫き、ご活躍されている社会人の方から直接お話を伺うことができ、大変貴重な経験となった。
 最後に、今回このような訪問の機会を設けていただいた藤本様、西島様、Koo様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

(文責:荒井雄大、鈴木公大、石黒彩、山下舞子)