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木立 真直ゼミナール

■モナシュ大学でのレクチャー


訪問日時  : 2017年9月8日9:00~10:00
訪問先   : モナシュ大学(Monash University)
ご対応者  : Professor Harmen Oppewal (Head of Department)
        Mr.Samir Gupta (Senior Lecturer)
テーマ   : 小売業のマーケティングについて学ぶ
参加学生数 : 中央大学木立ゼミナール3年生17名

調査趣旨(目的)

オーストラリアの小売業とユニットプライスについて学ぶ

調査結果

 9月8日(金)のモナシュ大学レクチャーでは、まず初めに、木立先生からモナシュ大学のキャンパスを案内していただいた。モナシュ大学ではオーストラリア政府や業界の協力を得て、多くの実験結果や情報から、データベースを構築し、そのデータベースを経済、ビジネスに生かしている。教室に移動し、オペワル先生から、小売の価格表示戦略である「ユニットプライス」についてのプレゼンテーションをしていただいた。その後、グプタ先生から、オーストラリアの小売業界の説明をいただいたあと、ゼミ生の質問にお答えいただいた。

 はじめに日本の小売においてユニットプライスの表示は一般的ではないことを説明していただいた。オーストラリアにおいて小売の代表ともいえるスーパーマーケットでは、その製品の値段だけでなくユニットプライスと呼ばれる、単位ごとの値段も表示している。ユニットプライスのメリットはその商品が本当にお得かどうか、すぐに判断できることである。トイレットペーパーや3本のオレンジジュースを例に、ユニットプライスは消費者の判断に大きな影響を与えることを学んだ。また、消費者の視線追跡(Eye-Tracking)の実験を行った結果、ハイライトなどの方法で目立つようにユニットプライスを記載しておくと、消費者はその製品自体の値段よりもユニットプライスに注目し、購入する確率が高くなることがわかった。

 オーストラリアのスーパーマーケットではディスカウントされている商品が数多く並んでおり、却って差別化が図られていない。ディスカウントのプロモーション効果が下がるため、ambassadorshipとしては弱いものである。ambassadorshipとは、その商品やサービスに顧客や消費者が魅了されるよう、それをリードする役目を果たすもの、という概念である。消費者は限られた時間の中で購買行動(モデル)が変化する。効率、便利さを求めるため、セルフサービスが一般的となった。

 今回講義を通じて、ユニットプライスを表示することには一種のプロモーション効果があることを学んだ。このような少しの違いでも消費者行動に変化を及ぼすことを、実験を通じて深く理解できた。ユニットプライスの有効性を理解することで日本にももっと導入すべきではないか、と考えるゼミ生も多くいた。

 最後に、授業をしていただき、また授業の中に英語の専門用語が多いため、ゼミ生が戸惑うことを察して、温かく説明してくださったオペワル先生とグプタ先生に心からお礼申し上げます。

(文責:前田晋吾)