商学部木立ゼミナール国外実態調査報告書

■エピング卸売市場


訪問日時  : 2017年9月7日5:45~8:30
訪問先   : Epping Wholesales Market
ご対応者  : Mr.David Whitchelo(Chief Operations Officer)
        Ms.Jan Craire(Tour Operator)
テーマ   : オーストラリアの青果・花卉市場の調査
参加学生数 : 中央大学木立ゼミナール3年生18名

調査趣旨(目的)

 流通に関連する日本の卸売市場の現状との比較

調査結果

 まず初めに、Ms.Jan Craire様(以下Claire様)にエピング卸売市場施設を案内していただき、青果物、花卉市場の順にわかりやすく、丁寧にご案内していただいた。当市場は、2015年8月31日に移転したこともあり、とても清潔な印象であった。同時に、安全面での配慮も伺えた。初めて市場を訪れる人でも分かりやすいよう、通行線がいたる箇所に引かれていた。また事故を防ぐために、交通ルールもしっかりと決められていた。途中で、オーストラリアで18年間卸売業者をされており、エピング市場唯一の日本人である鈴木さんにお話を伺うことができた。新しい市場での最も大きな変化は、安全面の改善の徹底であるとおっしゃっていた。市場は、フォークリフトがたくさん通行するので、安全への配慮は必須なのだそうだ。

 次にClaire様に、市場の構造についてご説明していただいた。市場の中に多数のテナントが所属している形で、そのテナントが集合し、市場が成り立っている。テナントの位置で売り上げが変わることもあるそうだ。何を売るか、いくらで売るかは、テナントの持ち主によって自由に決めることができ、政府に干渉されない。また市場での仕事は、明け方に販売、昼以降は農作業をする必要があり、とても厳しいということも伺った。スーパーマーケットでは、見た目がきれいなものしか売ることができないので、見た目が多少劣るものは、この市場で売っている。売値は生産者が納得のいく価格になり、セリなどは一切行われない。そのため生産者は安心して販売ができるそうだ。

 次に、Chief Operations Officer であるMr.David Whitchelo(以下Whitchelo様)にプレゼンテーションをしていただいた。プレゼンテーションの内容は、市場で行われている環境配慮への工夫や市場建設の歴史、オーストラリアでの水不足問題との関連など多岐にわたるものであった。質疑応答の際、市場建設時、一番工夫を凝らしたポイントを伺うと、やはり青果物、花卉など売り場のコーナーを分けて販売をしたことが効果的であったというご回答をいただいた。しかし、構造の工夫よりも大切なことは、買い手と売り手との間の信頼関係であり、それが商品を売るための鍵となっている。ビジネスを行う上で、両者の関係を良好に保つことが、最重要であるとのことであった。

 ゼミ生の質問で、オーストラリアにおける消費者の花卉の日持ちに対する需要と、花卉を長持ちさせるための工夫に関するものがあった。これに対しては、日持ちへの需要は高く、鮮度を保つための工夫もしているとのご回答であった。具体的には、エピング市場では花を扱うスペースを2.5℃に保っており、更に花農家でも収穫後低温で管理することによって鮮度を保っているそうだ。輸入した花も翌日には市場に届くようにし、リードタイムを短縮することで長持ちするようにしていると伺った。

 市場で朝早くから働き、市場から帰ってからも畑仕事があるにも関わらず、出会う人々は皆いきいきしていた。あいさつはもちろん、他愛のない会話、プライベートな話など様々な会話が交わされており、ビジネスのためだけではなく、気持ちよく楽しく取引できる場を皆で作っているようだった。私達ゼミ生もその様子を読み取ることができた。

 今回の調査を通じて、なかなか目にすることができない海外の卸売市場を見学することができ、専門分野である流通マーケティングに関して、より興味と関心が湧いた。また、特に食品流通や花卉業界に興味のあるゼミ生にとっては、自国との差異を検証することができ、良い機会になった。今回吸収した知識を活用し、これからの研究をより充実したものとしていきたい。

 最後に今回、ご丁寧に対応くださったWhitchelo様とCraire様をはじめEPPING Wholesales Marketの皆様に心から感謝申し上げます。

(文責:古谷文香)