商学部木立ゼミナール国外実態調査報告書

■ジョン・マグアイア先生による講義

訪問日時  : 2017年9月3日 16:00~17:30
会場    : Lady Barkly Room(Barkly Motel)
ご対応者  : ジョン・マグアイア先生 (元バララット大学教員)
テーマ   : オーストラリアの歴史、固定観念、社会と文化、オーストラリアが抱える問題
参加学生数 : 中央大学木立ゼミナール3年生18名

調査の趣旨

オーストラリアの歴史、固定観念、社会と文化について学ぶ

調査結果

 ジョン・マグアイア先生(以下ジョン先生)にオーストラリアの歴史、固定観念、社会と文化、2017年現在のオーストラリアが抱える問題などについて、プレゼンしていただき、その後ゼミ生一人ずつの質問にお答えいただいた。

  1. アボリジニの迫害
    オーストラリアはもともとアボリジニという先住民が住んでいた土地であり、何百カ国語もの言葉が話されるなど多様性に満ちていた。しかし、イギリス産業革命によって失業者が増加し、治安が悪化した。それに伴って犯罪者が収容先としてオーストラリアへ送られ、刑期を終えてもオーストラリアに留まったことが、今日のオーストラリアが形成される原点となった。その際、アボリジニは迫害され、彼らの住む土地は無くなっていった。現在でも生活レベルにおけるアボリジニとオーストラリア人との差は激しく問題になっている。
     
  2. アボリジニの貧困
    アボリジニなどの貧困の問題は補助金で解決できるものではない。なぜなら、補助金を与えても彼らがそれを貧困解決のために使うという保証はなく、むしろ酒や麻薬、ギャンブルに使ってしまうからだ。同じように、家を与えようとしても、家に住むより砂漠に住みたいという人もいる。彼らの子どもを学校に通わせようとしても、その親が学校の必要性を理解しておらず、親自身が学校に行かせず遊びに行かせてしまう。これは、何かを与えるだけでは解決できる問題ではないため、解決法は見つからず、模索中である。
     
  3. ステレオタイプ
    オーストラリア人のステレオタイプとして、無骨なイメージ、白人が多い、などが挙げられる。しかし、実際にはオーストラリア人は謙虚で助け合いを大切にするという、日本人に似た特徴を持つ。さらにオーストラリアは移民が多く、複数の人種・文化が混在している。このように、ステレオタイプが必ずしも正しいとは限らないため、正しい情報を得ることが重要である。
     
  4. 大学
    オーストラリアでは日本と同様に、大学進学率が増加している。それに伴い、実質的な学業の価値の低下が問題となっている。
     
  5. 女性差別
    女性差別は近年減少している。以前は女性の同性愛者が表舞台に立つことはなかったが、昨年フットボールの女性チームが結成され、その選手のほとんどがレズビアンであるということが公になった。男性中心のフットボール業界において、女性チームが受け入れられるほど、女性の進出と性の自由が認められるようになっている。

 質疑応答では、ゼミ生からオーストラリアの文化、社会に関する質問が多く出された。例えばLGBTの問題である。人種のるつぼでマイノリティの人々に寛容性が高いと思われるオーストラリアが未だに同性婚を認めてないことに関しては、政治家が自分の利益のため、このような問題を利用する現実があるそうだ。ジョン先生もこのことをおかしいと感じているようだった。また雇用問題に関して、失業率は5.9%であるが、それよりも不完全就業問題の方が厳しい問題であるというお答えをいただいた。

 今回、英語で講義を受ける機会、そしてオーストラリアという国について知る機会が得られた。また、ジョン先生の講義も最後には「please don't forget that communication is the most important thing. When people see you are trying to communicate, they will appreciate that, and will try to help.」と、ゼミ生に英語を使うことに怯えず、勇気を持つことが重要である、というお言葉をいただいた。将来、英語を使うことに対しての心得となり、有意義な時間となった。

 最後に、このような講義をしてくださったジョン先生に心からお礼申し上げます。

(文責:リーチャックリョウ、山田美帆)