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斎藤 正武ゼミ 国内実態調査報告

調査日:2017/12/6-2017/12/9
参加学生数:4年生9名

調査先:NPO法人グリーンバレー 徳島県名西郡神山町神領字中津132
香川大学医学部付属病院 香川県木田郡三木町池戸1750-1

調査の趣旨

ITとMOTの融合をテーマに研究をしている斎藤正武ゼミにおいて、卒業研究「地域活性化におけるICT利活用の有用性」を調査中であるが、徳島県神山町が実施したサテライトオフィスプロジェクトは総務省の地域情報化大賞でも表彰されており、重要な参考事例として実施団体へのヒアリングを行い実態研究の考察を行う。

調査結果

ヒアリングは、①NPO法人グリーンバレーおよび神山町のサテライトオフィス等研究に必要な箇所のヒアリングを行った、②香川大学医学部付属病院とK-MIXを使用する香川市内の病院を訪問した。

① 平成29年12月6日(水)から7日(木)にかけて,徳島県神山町での現地調査を行った.6日(水)には,NPO法人グリーンバレー理事長である大南 信也(オオミナミ シンヤ)様と株式会社プラットイーズ取締役会長の隅田 徹(スミダ テツ)様の講演会に参加した.7日(木)には,NPO法人グリーンバレー サテライトオフィス・コンシェルジュ担当の木内 康勝(キウチ ヤスカツ)様,株式会社ソノリテ代表取締役の江崎 礼子(エザキ レイコ)様,株式会社プラットイーズ 神山センター 素材・制作チーム 広報担当の橋本 敏和(ハシモト トシカズ)様にヒアリング・アンケート調査を実施した.

② K-MIX自体は全国の遠隔医療の取り組みの中でも,成功を収めた事例だと言える.実際のところ県内だけでなく,県外にも提携病院を増やしており,現在はすでに参画医療機関が150を超えている.医師不足という点においても,放射線科医の不足に大きく貢献しているという.今や開業医ですらCTやMRIを所持している時代だが,それらが全身検査できるという性質上,開業医の専門以外の部位は読影できないことが多いという問題がある.そうなると,従来は患者に検査結果を持たせ,専門医や放射線科医がいる病院に行かせたりしなければならなかったが,遠隔読影によってそれをしなくてもよくなったのだ.こうしたことから遠隔読影のシステムは,専門医の不足という問題の解決に役立っていると言えるのではないだろうか.

これを述べた上で,横井氏はK-MIXにはいくつかの問題があると指摘した.システムを構築する際に作り込み過ぎてしまったため,そのせいでシステム上のトラブルが何度か起きているという.こういったシステム上の設計も遠隔医療においてはとても大事になってくる.使いづらいと感じさせてしまった時点で,医師は使ってくれなくなるのだ.

また,根本的に遠隔医療には人と人のネットワークが重要になると横井氏は語る.遠隔読影に関していえば,医師は皆同じレベルではないので,見ず知らずの医師に頼もうとは思わないのだという.それゆえ信頼関係というのがとても重要な要素となり,結局のところは人ベースでしか広がっていかないと語った.