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河合 久ゼミ 国内実態調査報告書

タイトル: 原価計算および会計システムの実態調査
授業名: 演習Ⅰ・演習Ⅱ(専門ゼミ)
調査日: 2017年年9月14日~15日
参加学生数:3・4年生19人
調査先: ① 福寿工業(株) ② (株)GIFUSHO

調査の趣旨(目的):

岐阜県に拠点を置く自動車部品製造企業の福寿工業(株)を訪問し、工場を見学すると共に、同社の原価計算システムの概要を調査する。また、岐阜県立岐阜商業高校が設立した実態のある会社である(株)GIFUSHOを訪問し、財務・経理担当者から同社の会計システムの現状と課題を調査する。

調査結果:

【福寿工業(株)の調査結果】

2017年9月14日に福寿工業(株)を訪問した(今回の訪問は岐阜県立岐阜商業高校との合同で実施した)。同社は自動車メーカーにエンジン部品やトランスミッション部品を供給する協力会社である(取引先との関係でティア1またはティア2に位置づけられる)。金属個体を切削した部品(歯車等)の生産が主力であり、原材料の金属個体を加工するラインが工場内に整然と配置され自動生産が遂行されている。しかし、完成品の検査工程では人間の目による検査が重視され生産工程とモノの流れが良くわかる学習ケースであった。
調査は、工場見学のあと、生産管理、原価計算、経理の担当者ならびに取締役から同社の特徴や経営方針に関する説明を受けた。本ゼミでは工場見学での自動生産状況および製造指図書(カンバン)やモノの流れ、そして会社からの説明をつうじて、同社の原価計算の特性を類推するという課題を設けていたので、翌9月15日に岐阜商業高校の教室を借りて、同行した高校生を交えたグループワークによって一定の結論を得た。
その後、秋学期(後期)のサブゼミの時間を使い、ゼミ生が調査概要と結論を下のレポートにまとめたので、詳細はレポートを参照して頂きたい。

【(株)GIFUSHOの調査結果】

(株)GIFUSHOは、文部科学省の「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール事業」の一環として、中央大学商学部、岐阜市商工会議所、地元主要銀行、地元大型小売店舗の協力を得て、岐阜県立岐阜商業高等学校が設立した実態のある株式会社である。主に在学生が株主、役員、社員となり、製品開発・販売を本業としている。中央大学商学部は同校と長年にわたって高大連携協定を結んでおり、同社設立を契機として本ゼミが学生間交流の意味も込めて、同社の会計システムの現状と課題を調査した。
2017年9月15日に同校を訪問し、同社のCEOと財務・経理担当者から採用している会計手続きの概要を聞き取り調査した。同社は現業部門で生じた仕入・販売等の取引を現業部門が作成する調書を経理部門が引き取り、経理部門において調書を振替伝票に記帳したうえで、決算目的に特化した会計ソフトウェアに入力・処理している。証憑および各種帳票の精査、また担当者の説明を通じて、同社が第1期事業年度からコンピュータ会計システムを運用していることがわかったが、その運用ワークフローが非効率的で、産出する会計情報が限定的であり経営管理に有効ではない、という課題を見出すことができた。本ゼミでは調査にあたり現状と課題を明らかにするというテーマを設けていたが、その目的は達成できたので、その課題の改善に向けた提案をすべく目下検討を進めている。
今回の調査によって明らかになった課題の要因を含み、秋学期(後期)のサブゼミの時間を使い、学生が下のレポートにまとめたので、詳細はレポートを参照して頂きたい。

(株)GIFUSHOの調査概要レポート(1.5MB)