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井上 義朗ゼミ 実態調査報告

調査日: 2017年9月14日~16日
参加学生: 3,4年生 28人
調査先: Share 金沢

調査の趣旨

私たち井上義朗ゼミでは行政に頼ることなく社会奉仕活動や、行政にはできない社会問題の解決に努める社会的企業の研究をしております。毎年社会的企業の実態調査をしておりますが、今年は日本版CCRCとして注目され、障害のある子どもや高齢者を中心にコミュニティを形成する「Share金沢」を訪問し、将来的に日本が抱える諸課題の解決策について考えました。

調査結果

Share金沢では、館内をご案内いただくとともに、Share金沢の歴史から始まるレクチャーを受けました。Share金沢のそもそもの原点は、戦後の戦災孤児を支援する福祉法人であり、そこから高齢化社会のニーズにもこたえてできたのがShare金沢であることが分かりました。そのため、サービス付き高齢者住宅と障がいのある子どもの社会進出活動を同時に行う形で、一つのコンパクトタウンを形成しています。見学して分かったことは、お年寄りがみな元気であり、またそれぞれの住居が敷居なく非常に近い距離にあり、売店も自分たちで、無償でシフトを組む形で行われるなど、まるで昔の「村」のような安心感のある施設となっていることでした。また小道は、大人二人がすれ違うのがやっとのような幅にするなど、一人一人の距離を近づける工夫が随所に見られました。小学校や大学も近い距離にあり、高齢者の方々と小学生・大学生がごくしぜんに触れあえる環境も感じられました。今の日本は核家族化しており、高齢者の孤独死の問題などもあるなかで、Share金沢の活動には政府も注目し、毎年、地方創生特命大臣が視察に訪れるなど、Share金沢をモデルとした日本版CCRCは、日本にとって必要であるとともに、今後は地域の特色に合わせながらその数を増やしていくであろうことを確信しました。
Share金沢も完成形ではなく、課題も多く抱えていることも事実だとは思いますが、今後より注目していきたいと思いました。また、社会的課題の解決に努力する社会的企業の成功例を現場で見ることで、今後の研究にも大いに役に立つと思います。
ご紹介やご協力をしていただいたShare金沢の皆様に感謝の意を表して報告をおわります。