学部・大学院・専門職大学院

特色ある学部教育報告書

教員氏名:堀内 恵
授業科目:演習Ⅰ・Ⅱ
調査日:2016年9月5日~9月8日
参加人数:3年生14人、4年生10人
調査先:丸市倉庫株式会社 GDC物流センター

調査報告

  1. テーマ:「地方における地域中小企業の情報化によるビジネス革新の探求」
  2. 対象企業:九市倉庫:GDC物流センター
  3. 概要:本授業は、中央大学商学部の「特色ある学部教育」の授業の一つして実施される。これは、現実のロジスティックス事業のビジネスプロセスを調査するライブケース型の授業である。調査対象となった「丸市倉庫」は、情報技術を駆使して物流システムと倉庫業務とを融合してビジネス革新を試みている山梨県の地元中小企業である。当該領域のビジネスプロセスを研究するには手ごろな規模と特性であると判断して調査分析対象に選択する。本年度は、特に丸市倉庫が環境保全株式会社に対して提供する化粧品関連の通販プロセスを対象として、保管物流会社の戦略、組織間連携を支援するビジネスプロセスを構築するための問題発見・改善や革新案を主に活動理論の各種技法、集団討議法を駆使して展開する実践能力の育成を目指す。対象企業のスタッフと学生が協働して能力育成を図る点に固有性がある。なお、本年度は、拓殖大学商学部の安積淳ゼミと合同で実施している。
  4. 調査の流れ:
    ①事前訪問調査
    2016年7月8日:堀内ゼミ学部生4名および安積ゼミ学生4名ならびに教員2名で、物流センター(丸市倉庫)の中で展開される環境保全向けの通販物流のビジネスプロセスを見学・調査する。ビデオ撮影をしつつ、業務で用いる各種帳票類、コンピュータスクリーン、棚の配置などを確認する。その後、訪問先の会議室にて、業務担当と一緒に見学した業務の流れを確認しつつ、DFDを用いて業務を図式化整理する。
    ②大学に戻り①の内容を、事前訪問に参加しなかった学生に説明する。具体的には、①で入手した各帳票類の説明をしたり、撮影してきたビジネスプロセスのビデオを見てもらったりする。その上で、4班に分かれて、業務を再現したり、図式化整理を行ったりしつつ、班ごとに業務の現状理解を深める。
    ②本調査
    2016年9月5日の本調査においては、丸市倉庫の化粧品関連商品の通販物流に関するオンライン受注、ならび配車業務について説明を聞く。倉庫に化粧品、シャンプーなどの製品を預ける「製造会社」、この製造会社に生産を委託する「製造委託会社」、この製造委託会社に製品を発注する「最終顧客」、および荷物を最終顧客に届ける「運送会社」との間のモノと情報の現状の流れ、および今後の戦略的な試みを対象として、保管物流会社の戦略、組織間連携を支援するビジネスプロセスを構築するための問題発見・改善や革新案を主に活動理論の各種技法、集団討議法を駆使して展開する。チームごとに、現状の業務オペレーション流れを、DFDとREAという手法に基づいて図式化・整理するとともに、現状のビジネス・システムの改善案を報告する。