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野﨑 俊一 ゼミ 国内実態調査報告

授業科目名:課題演習

参加人員:学生13名+教員1名

調査日:2015年9月9日~9月11日

調査先名称:味の素株式会社東海事業所
株式会社大丸松坂屋名古屋店
王子ネピア株式会社名古屋工場
五箇山 合掌の里

課題演習野﨑ゼミでは「企業と経営を考えるゼミ」ことを基本に、夏期休暇期間を利用して企業訪問を実施しました。訪問先は上記4ヶ所です。企業等の訪問目的は幾つか想定しました。

  1. 座学中心授業から、企業担当者等から課題・対応策について現場の声を聴くこと
  2. 経営目線から工場等見学すること(例えば生産性、品質管理、需要と生産体制)
  3. 顧客ニーズに応じた地域特性と店舗づくり
  4. 環境保護対策への取り組み
  5. 五箇山の自己完結型消費サイクルの流れとその課題

味の素株式会社東海事業所は四日市市に立地し、高度経済成長期は公害発生としてネガティブなイメージもありましたが事業所内に5,700㎡の天然池があり、野鳥の生息を観察することが可能になっています。環境改善は四日市の象徴になり注目を浴びています。
景観のみならず自然保護も含めた世界遺産(文化遺産)に指定された五箇山合掌づくり集落も、その保存・維持のために伝承する文化と技が秘められています。
大丸松坂屋百貨店名古屋店では栄地区と名古屋駅地区の商業施設の特徴、松坂屋本館、南館、北館とパルコ3館(Jフロント・リテーリンググループ)を併せた商業施設とテナントミックス、名古屋店の顧客分析と名古屋独自の商法について話を伺う。顧客志向のマーケティングと名古屋市内の商業施設間の競争について学ぶ。
最後に、最寄り消費財の典型商品、ティッシュペーパー、トイレットペーパーと乳児用おむつ、高級ティッシュペーパーを生産している王子ネピア株式会社名古屋工場では、生産部門の合理化、流れ作業を効率的に行うセンサー感知、検品体制、完成品の品質チェック体制、保管庫と物流センターなど一環体制を見学しました。
初日台風に見舞われ、座学となりましたが、全員ケガや病気もすることなく安全に目的を達成する事ができたのは、ゼミ生が各種の合宿事前準備と3日間集団行動を遵守したゼミ生の自助努力に感謝します。

【参加した学生の感想】

課題演習野﨑ゼミ合宿全般の活動報告

活動日 2015年9月9日~9月11日 ゼミ合宿全般

9月9日(水)朝、東京から四日市に移動した後、味の素東海事業所を見学しました。天候不良のため、工場内部を見学することはできませんでしたが、担当者の計らいで味の素製品の試食、鰹節すり体験、味の素を使用した炊き立てご飯の試食等の体験学習を行いました。味の素の製品戦略について貴重なお話をお伺いして有意義な時間を過ごしました。
名古屋に移動した後、大丸松坂屋百貨店名古屋店を訪問し、企業戦略について話がありました。
 2日目は最初に、王子ネピア株式会社名古屋工場を訪問しました。普段使っているティッシュやトイレットペーパーの製造工程を見ることができとても新鮮な体験でした。
工場見学後、名古屋から高速バスで富山県五箇山合掌造りの里で世界遺産保護と観光振興を体験するため、一泊しました。地元の特産物を用いた夕食は印象深かったです。
3日目は合掌造りの里スタッフの計らいで合掌造り内のツアーから合掌づくりの生活様式、経験に裏付けされた知恵、防災、合掌づくりを守るさまざまな方策などを伺い、見学しました。午後、名古屋に戻り帰京に向けて流れ解散。
ゼミメンバーの結束を深めるとともに3日間密度の濃い合宿となりました。

金融学科2年 男性

味の素株式会社東海事業所

本来は、工場内部を見学する予定でしたが、早朝名古屋に直撃した台風18号の影響で、急遽座学となりました。東海事業所は、四日市市に位置し、主な生産品は「ほんだし」・「アスパルテーム(甘味料)」・「医薬品」等です。その中でも、味の素株式会社の代名詞であるパンダのビンが特徴の「味の素」。旨味成分のグルタミン酸が原料で、自然のものを発酵という自然の力で作る自然に優しい調味料。みそ汁を使った味の素の美味しさ体験や、鰹節削り体験、ほんだしご飯の試食など、大変楽しい体験ができました。 
総務部総務・人事グループ長 藤岡肇氏に、味の素のマヨネーズの製品開発の歴史、特に失敗と再生についてお話を頂いた。トップブランドが市場を占めている中、マヨネーズ業界に挑戦し続けるための戦略やその姿勢が、大変印象深かったです。
最後に、味の素の掲げる「美味しさ」・「健康」・「命」は、消費者を一心に思い、全ての製品づくりの中心にあることを知り、消費者に対する企業の姿勢を間近に感じることができました。

商業・貿易学科2年 女性

株式会社大丸松坂屋百貨店名古屋店

株式会社大丸松坂屋百貨店の松坂屋名古屋店、営業推進部マネージャーである竹中隆志さんにお話を伺いました。名古屋店の店舗戦略というテーマで、名古屋地域がもつ地域特性や小売環境の特徴から、売場での商品構成と価格を中心とした店づくり、40-60歳代をターゲットに絞り、顧客のニーズにあった商品提供、特に外商の役割が重要と伺いました。私は経営学科に所属し、大学で経営学について学んでいるのですが、こういった経営戦略についてのリアルなお話は大学の講義とはまた違い、とても興味深かったです。今まで何気なく利用していたお店でも、消費者からは見えない部分で様々な戦略を展開しているのだと思うと、違う見え方があるように感じ、もっといろんなことを勉強したいと思いました。今回は貴重なお話を聞けたことにとても感謝しています。ありがとうございました。

経営学科2年 女性

王子ネピア株式会社名古屋工場

王子ネピア株式会社では、工場内部を見学するにあたり、見学者が身につけている筆記用具、ピアス・指輪・アクセサリーなど装飾品はじめ、持ち込み禁止物が多いことに驚いた。異物混入を防ぐために徹底した取り組みだと感じた。最も力を入れて商品はプレミアムソフトティッシュで、他商品よりも品質に数段優れている。単に、安価な製品だけでなく品質を良くし値段も少し高いものを売り出している。新しい需要を生み出し、売上をより増やそうという意図を感じた。ティッシュペーパーやキッチンペーパー、オムツを作るのにほとんどが機械によるものだった。人件費を削減し、効率よく合理的に経営が成り立っていると思った。主婦の方々にアンケートを取り、その結果に基づき経営戦略を立て成果を上げていた。ニーズ対応とコンセプト型の商品開発を進みており、織り交ぜながら進行していくのが合理的であるという考え方を学びました。

商業・貿易学科2年 男性

世界遺産 五箇山菅沼集落で観光振興と自然保護を踏まえた宿泊体験

菅沼集落は世界遺産である「白川郷・五箇山の合掌造り集落」の一つです。今回は「荒井建設、おみあげ・お休み処あらい」の荒井崇浩さんに集落内や周辺の案内等で大変お世話になりました。ありがとうございました。集落には「籠渡し」という江戸時代に庄川を渡るために使われていた橋代わりの装置や、合掌造りの屋根に使う「茅」の畑、また特産品である「五箇山ぼべら」の畑などの自然、そして合掌造りの建造物などの見どころが満載でした。世界遺産として集落を守っていくために行っている工夫や、雪崩による被害防止のために畑を作る場所を工夫したり等の自然の中で暮らす知恵など様々なお話を聞かせて頂くこともできました。夜はイワナの刺身を頂いたり合掌造りに宿泊させて頂いたりと貴重な経験ができました。世界遺産の集落という特殊な観光地を見学でき非常に充実した合宿となりました。

商業・貿易学科2年 男性