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授業特別協力者(ゲストスピーカー)報告

授業特別協力者名

小栗 太 様

授業日

2016年10月13日(木

授業名

マーケティング入門

教員名

久保 知一

授業場所

8305教室

履修人数

210名

日本経済新聞社より、経済部次長の小栗太記者をお招きして、「新聞とデジタルの出会い」というタイトルで講義を頂いた。デジタル化が進む中、紙媒体の新聞や雑誌は厳しい局面にある。日本の新聞発行部数はこの15年間で670万部も減少し、今では4,000万部程度である。こうした紙媒体に対する厳しい環境は今後も続くものと予測されており、新聞業界では紙から電子版への誘導が大きなテーマとなっている。

そこで今回の講義では、読者の電子版への誘導という大きなマーケティング課題に対して、小栗氏が日本経済新聞社において取り組んでいる様々なマーケティング施策についてお話を頂いた。具体的な取り組みとして、記者個人のSNS、日経の強みであるデータベース、映像との融合、電子書籍などが紹介された。また、現在の読者の傾向として、自分の信条や嗜好にあうメディアやニュースだけを選択するバイアスがあることと、そのことの是非について深い考察が示された。講義の後は、学生からの質問を募り、活発な質疑応答が行われた。講義終了後も多数の学生が居残って質問していたが、小栗氏はその全てに丁寧に対応してくださった。

小栗氏の講義は単なる業界や企業の紹介ではなく、消費者にいかに働きかけて購買行動を変化させるかというマーケティング戦略の大きな課題について、施策の当事者が解説するものであった。学生には、現場でのマーケティングの実践についてのリアルな知識に触れるだけでなく、個人がどのようにメディアの情報に接するべきかという重い問いを考える機会となった。