学部・大学院・専門職大学院

物流業界の現状と今後の展開(物的流通論Ⅱ)

教員氏名

洪 京和

授業日

2016年12月16日

授業名

物的流通論Ⅱ

授業場所

8305教室

履修人数

115人

授業実施結果

 日通商事㈱取締役執行役員で、日本物流団体連合会前理事・事務局長の宿谷肇さんに、「物流業界の現状と今後の展開」というテーマでお話しをしていただきました。当日は、日本における物流、さらに物流産業の概要、物流事業者の海外展開、物流発展の推移、物流業界の課題と発展方向という流れでお話しをしていただきました。
 最初に、物流の重要性という視点から、止まると分かる「物流」のありがたみ、「物流」を制した者が、勝者となり、日本を制してきた歴史、海外では物流を重要戦略として人材を育成していることが多いなどの説明がありました。そして、物流事業について、日本のGDPで運輸部門は鉄鋼、電気機械より大きく、さらに物流は、人流の金額ベースで約2倍を占めること。物流の仕事は創造型、提案・開発型であることの説明がありました。
 物流事業者の海外展開ということで、物流ニーズの変化と海外展開がどのように変遷してきたのか。日本通運を事例として、海外ネットワークの展開状況、中国欧州間主要鉄道ルート、南アジア・オセアニア地域の輸送サービスネットワークの展開など、第三国間での輸送サービスが重要であることが説明されました。
 最後に、物流業界の課題と発展方向ということで、グローバル化、ICT、グリーン化、セキュリティ、BCPという5つのキーワードが示され、それぞれの方向性についてお話ししていただきました。ICTについては、荷主-物流事業者間の情報のやり取り(EDI、見える化、情物一致)、タイムリーな情報のやり取り(JIT:Just In Time)、全体最適を図る情報のやり取り(情報共有)が非常に重要であること、セキュリティについては、AEO制度(認定事業者優遇制度)が重要であり、AEO制度を有する二国間で、それぞれのAEO制度を相互に承認することにより、二国間物流におけるセキュリティレベルを向上させつつ、国内外一貫した物流円滑化を目指されていることなどが説明されました。
 講義では、物流業界の全体の方向と同時に、具体的な物流事業者の展開状況をお話しいただき、物流業界を理解するうえで、非常にわかりやすい授業でした。