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味の素㈱・味の素物流㈱のロジスティクス戦略(物的流通論Ⅱ)

教員氏名

洪 京和

授業日

2016年12月2日

授業名

物的流通論Ⅱ

授業場所

8305教室

履修人数

115人

授業実施結果

 味の素物流㈱理事の魚住和宏さんに、「味の素㈱・味の素物流㈱のロジスティクス戦略」というテーマでお話しをしていただきました。当日は、味の素㈱・味の素物流の会社紹介、味の素㈱の物流体制、「スーパーグリーンロジスティクス構想」に基づくモーダルシフトと「レールライナー」の取り組み、「リレーライナー」(中継輸送)の取り組み、食品メーカー6社による協働取り組み「F-Line」という流れでお話しをしていただきました。
 味の素の物流体制では、BCP型物流ネットワークということでお話をしていただきました。東日本大震災で、川崎物流センターは完全復旧まで1ヶ月半かかり、物流は大混乱をしました。それを教訓として、味の素では自然災害に強い物流体制の構築に取り組んでおり、具体的にはBCP型物流ネットワーク–東西2拠点体制の構築、幹線輸送(拠点間輸送)での内航海運輸送の導入、優先出荷商品・優先出荷得意先の選定など、様々な取り組みをしており、その考え方について説明がありました。地震等の災害に強い保管機能及びネットワークの構築を行うという基本方針のもと、2014年6月よりBCP対応型の新ネットワークを稼動させました。そして、東西2拠点体制の構築ということで、埼玉県久喜市、兵庫県西宮市の体制にした内容について説明がありました。
 続いて、「スーパーグリーンロジスティクス構想」についての説明がありました。これは輸送距離500㎞以上の生産移動、在庫移動について100%、鉄道輸送または内航船(フェリー、RORO船)による輸送でカバーすることを目指すものです。これによって、長距離輸送力強化と環境配慮の同時実現を図る構想です。特に、この構想では内航船の比率が高いことが特徴となっており、現状として約8割が実現していること、さらに導入にあたっての様々な工夫の説明がありました。
 食品メーカー6社による協働取り組み「F-Line」は、食品企業物流プラットフォーム構築を目指しているものであり、共同配送だけでなく納品伝票の統一も実現したこと、さらに今後、製配販物流の課題に共同で取り組もうとしていることの説明がありました。講義終了後、味の素のアジア展開、物流の対応状況等活発な質疑応答がありました。