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授業特別協力者(ゲストスピーカー)報告

タイトル

広告表現研究:買いたい気持ちに火をつけるコピーライティング
ゲストスピーカー報告

授業日

2017年11月24日(金)5時限目

授業名

課題演習Ⅱ

履修人数

17名

授業実施結果

電通のコピーライター・プランナー・コンセプターである梅田悟司さんを招いて、キャッチコピーの書き方、発想の仕方についてご講義を頂いた。
梅田さんは『言葉ができるは武器になる』(日経新聞出版社)の著者で、この本は発売以来16万部を超える大ヒットとなっている。梅田さんは自身の書籍の中で「言葉にできない、は考えていないのと同じである」とのコンセプトを示しており、今回の特別授業では"脱・曖昧なコピーライティング"をキーワードに掲げ、自分の考えを十分に表現できずにもどかしく感じている若い世代に向けてどのような発想をすればコピーを柔軟に紡ぎだせるのかを分かり易く論じてくれた。
まずはご自身が手掛けられた作品(コカ・コーラ「ジョージア」『世界は誰かの仕事でできてる。』『この国を、支える人を支えたい。』など)を例に、商品の市場における施策をどのように統合するのかを説明。ブランドや企業に込められた「志」を言語化するのがコピーライティングであると定義した。学生や駆け出しのコピーライターは、どうしても商品の事実(描写)や価値をコピーにして安心してしまいがちだが、それだけでは一部の人たちの共感しか得られない。その先にある商品の思想、そのブランドを買う人のビジョン、理想などを表現できる域にまで達した1本を生み出さなくてはいけないことを力説された。一見、それは難しい作業のように聞こえるが、梅田さんはそれらを分かりやすい図に示し、「つまりこういうことでしょ?」という発想の展開や言葉の言い換えについて説明した。
消費者に納得と同時に刺激(驚き)を与えることで、普段は気にも留めない広告に注目をさせ、そして商品の購入やブランドへの愛着へと落とし込む一連の思考は、現場の最前線で活躍しているコピーライターならではの教えであった。
また、学生達に事前課題として「東京タワーの存在感を高めるコピー」を10本書かせ、それを詳しく評論、普段の授業とはまた違った言葉の選び方や発想の切り口の提示に皆驚いた様子だった。今後のコピーライティング活動の大いなる刺激になったのは言うまでもない。またぜひご講義頂ける日が来ることを願っている。