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ゲストスピーカー報告

授業科目

演習Ⅰ(加治敏雄先生)

授業日

2016年11月22日(火)

授業場所

5708教室

履修人数

15人

鷲巣雅一氏(みずほファクター(株)取締役副社長)より約1時間、日本の銀行の変遷について、ご自身の経験を踏まえてわかりやすい説明があった。
鷲巣氏は、中央大学商学部を卒業後、富士銀行に入行し、現在のみずほファクターに入社するまでの30年近くのほとんどを現場の支店で働き、その間に川崎支店長をはじめとして5つの支店長を歴任している。こうした経験を踏まえ、いわば当事者の立場からの、その時々のエピソードも挟んだ説明は、興味深く、分かりやすいものあった。
このあと行われた、約30分にわたる質疑応答では、質問の多くが鷲巣氏の銀行マンとしての活動に集中した。それに対する応答のなかで強調されたのは、次のような点であった。最初からできる人はいない。あきらめずに執念をもって仕事に取り組むことが大事である。新入社員時代から、落ちこぼれそうになったり、過労で入院したり、大変なことはいくつもあったが、苦しい時に人のせいにしてはいけない。人間は気のもち方一つで変ることができる。組織の中では自分のやりたい仕事だけをやれるわけではない。与えられた仕事を期待以上にやるという気構えが必要である。時代は常に変化をしている、既成概念にとらわれず、もっと良いこと、やり方は無いか、なんにでも興味を持つことも大事である。経験から発せられた言葉には重みがあった。
加治ゼミでは今年度3メガバンクを論題にして3回のディベートを行ったが、今回の鷲巣氏の特別講義によって銀行の歴史を学ぶことで、より広い視点から現在の銀行体制についての理解を一層深めることができた。また現場主義を標榜する銀行マンの実話を通じて社会に出て仕事をするときの心構えを学ぶことができた。