学部・大学院・専門職大学院

日本のビール市場

授業日
2015年11月3日(火)

授業名
演習Ⅰ

授業場所
5601教室

履修人数
15人

授業実施結果
 駒澤正樹氏(サッポログループマネジメント㈱)より約1時間、日本のビール市場について詳しい説明が行われた。まず日本のビールの歴史が黎明期、勃興期、統合期および戦後に分けて概観された。ついで現在の日本市場の特徴が、酒類全体とビールテイストの市場動向、各酒類の構成比の推移、年代別の酒類購入量、若者の酒離れなどの項目ごとに詳しいデータによりながら示された。そしてアサヒ、キリン、サッポロ、サントリーの4社の戦略、事業構造が明らかにされた。アサヒはビールの比率が高いこと、キリンはバイオケミカルに多角化をしていること、サッポロは不動産事業も大きな比率をしめること、サントリーは飲料食品のウェイトが大きいことなどが特徴となっている。最後に、ビールの製造過程、世界のビール、おいしいビールの飲み方など、ビールについての多様な知識が披歴された。
 以上の説明をふまえて、約30分にわたり質疑応答が行われた。なぜキリンとサントリーの合併は破綻したのか。サッポロのシェアがどんどん低下しているがその原因はどこにあるのか。もともと同じ会社であったアサヒとサッポロは合併しないのか。これらの問いに対して、駒澤氏は企業文化やマーケティングなどの違いに言及しながら丁寧に答えられた。
 加治ゼミでは今年度ビール4社を取り上げ、その製品政策について比較研究を行っていたので、今回の駒澤氏の招聘は大変有意義なものであった。マーケティングの一分野である製品政策だけでなく、マーケティング全般、さらには経営戦略、企業文化などについても4社の違いを学ぶことができた。