ビジネススクール
人的資源管理論において、シミック株式会社人事総務統括CHRO 口村圭氏による講演を実施
2026年10月29日
2026年10月24日(土)、中央大学ビジネススクール(CBS)MBAプログラム基礎科目「人的資源管理論」(担当:島貫智行教授)において、シミック株式会社人事総務統括CHRO 口村圭氏をお招きし、講演を実施しました。
●概要
経営戦略と人材戦略の連動は、今日の企業経営における重要課題です。企業経営に資する戦略人事の実践について、シミック株式会社人事総務統括CHRO 口村圭氏に、「Personal Business Value」「New Work Style & Space」「Respect Each Other(Diversity, Equity & Inclusion)」を柱とするグループ人財戦略と取組みを中心にお話しいただきました。質疑応答も活発に行われ、受講生が授業で学んだ考え方を実際の企業事例に適用することで理解を深めるとともに、自社の戦略人事を考える貴重な機会となりました。
●受講生の感想(一部抜粋)
・経営戦略と個人の価値発揮を結びつけるために、制度・仕組み・企業文化を一体的に変革しようとしている点が学びになりました。Personal Business Value(PBV)によって、与えられた業務を遂行するのではなく、経営戦略を理解したうえで自らがどのような役割を担い、どのような価値を生み出しているのかを問い直すことは、社員の主体的な行動を促すうえで重要だと感じました。
・人事制度改革を単なる評価・処遇の変更ではなく、経営戦略に必要な人材の可視化と流動化を通じた組織変革として進めている点が印象に残りました。手順の遵守から創出した価値を重視するPBVへの転換は、変化の激しい事業環境に適した取り組みだと感じました。
・印象的だったのは、人事施策を経営戦略にAlignさせる重要性を徹底していたことです。人事部門の役割は機能面・時間軸など多岐にわたりますが、その要諦は全社戦略や事業戦略の達成に向けた人の課題に真摯に向き合い、解決に導くことにあると再認識しました。
・従来の「タスク達成度」による評価ではなく、「会社の戦略・ミッションに対して個人がどのような価値を発揮しているか」を言語化・可視化するというPBVの考え方は非常に印象的でした。「言われたからやる」ではなく、自分の役割と会社戦略の接続を自問自答する文化を醸成しようとする試みに、理論と実践のつながりを理解できました。
・自社が社員にどのような役割や貢献を期待し、それをどのように評価・処遇へ結びつけるのかを、改めて考えるきっかけとなりました。人事制度の見直しを、単に等級や給与の決め方を変更することではなく、会社の目指す方向と、社員に期待する役割や成長を結びつける取り組みとして捉えたいと感じました。
・個人の発揮価値を上司だけで判断するのではなく、プロジェクトで関わる人からのフィードバックも通じて確かめる仕組みが参考になりました。制度の整備に加え、対話やフィードバックを継続し、社員の行動や組織文化の変化につなげていくことが、人事の重要な役割だと感じました。
・人事部門の存在価値を、制度をつくって運用することではなく、「経営戦略を人と組織の課題に翻訳し、チェンジマネジメントのシナリオを描くこと」と捉えていた点が印象的でした。人事部門が現場に代わって人材マネジメントを行うのではなく、経営が何を実現しようとしているのかを人材・組織の課題に落とし込み、逆に現場で起きていることを経営に返していく役割が重要なのだと感じました。
・経営の目指す姿を踏まえ、人事の全体像を描いたうえで、解くべき課題の設定、各施策の実行までをリードされているのは素晴らしいと感じました。カルチャーを変えていくために、経営者のコミットを引き出し、多くの施策を連動させてドラスティックに変えていくことを体現されていると感じました。
・ピラミッド型の人事組織(階層型)からアジャイル型の人事組織(プロジェクト型)に転換した事例は非常に学びになりました。今後、AIの台頭などにより社会構造が急激に変化する中で、アジャイル型人事組織がより必要になってくるのではないかと感じました。
・AIを活用した人事評価やアジャイル型組織は、興味深い取り組みでした。足元の事業成果を生み出す人材と、中長期的な事業成長を生み出す人材では、求められる役割や成果が異なるため、各々の役割や時間軸に応じて評価指標を設計することが重要だと感じました。
・「現場はアジャイル・プロジェクト型で動いているのに、制度や評価はピラミッド型のまま残っている」というギャップのリアルな葛藤に深く共感しました。綺麗な制度論にとどまらず、組織と個人の双方を生かすための泥臭い運用の重要性を学べたことが大きな収穫です。
●CBSについてもっと知りたい方へ
「人的資源管理論」は、企業経営における人材の確保と活用を学ぶ基礎科目です。経営戦略と人材戦略を連動させる戦略人事の考え方を基本として、採用や育成、異動・配置、評価、報酬管理、労働時間管理、DE&I、多様な就業形態などの主要テーマについて、講義と事例分析、ケース討議を組み合わせて学びます。ゲスト講演では今日的なトピックを取り上げ、受講生が勤務先での実践や応用について考える機会を提供しています。
CBSのカリキュラムの全体像は、以下のリンクをご覧ください。
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/pro_graduateschool/business/mba/